バンガロール宅が恋しい。なにしろ毎日、風雨である。書き上げたい原稿は進まず。家にいても煮詰まるばかりなので、夕飯のための買い物にでも出かけようと思う。
まずはご近所のお気に入りなレストラン、Moshe'sへ赴き、パンを購入。お気に入りのエジプト風パンはいつも売り切れ。やむなくピタパンとベーグル、フォッカチオを購入。やはりパンは朝、買いに来るべし。
パンを片手に帰路、Taj Presidentでマダムの人だかりを発見。またしても、何やらのエキシビションが行われているようである。パンの袋を携えて、しかし迷わず入る。
本日はジュエリーやシルヴァー製品なども多く、衣類も洗練されたものが多く展示されている。上の写真は、例の「絞り」のサリーの展示だ。先日、ウマが連れて行ってくれた店は、この絞り染めの専門店である。
インドの人々は、この絞り布にアイロンをぴっちりとかけてのばし、サリーとして着用するのだが、わたしが唯一持つ絞りサリーは、身体に巻き付ける部分のみアイロンをかけ、最後の一巻きとうしろにタラリと下げる部分には、軽くしかかけていない。その方が、絞りの質感が出てよいのだ。
触れてみれば、その手触りの良さに改めて惚れる。しかしサリーの色合いは、今ひとつだ。やはり近々、ケンプス・コーナーのあの店へ行かなければ。
ちなみにわたしが現在持つ、唯一の絞り染めサリーとは、例のTV番組「仰天ライフ」に出演した際、OWCのコーヒーモーニングで着用していたものである。
右の写真がそれである。
友情出演してくれたエリカさんとユカコさん、そしてまだ小さなジェイク君も一緒に写っている。
このサリー、着やすい上に、軽くて着心地も抜群なのだ。
色合いもまたとても気に入っている。同じものばかりを着てしまっていけない。
●インド風味のコロッケが美味。キャベツもいける。
オリンピック関連ニュースで、水泳の北島選手の実家が「メンチカツ屋」だとの記事を目にした途端、メンチカツが食べたくなった。それに類似したものとして、コロッケを作ることにした。
我が家庭料理の大半がそうであるように、コロッケもまた、かなり独創世界である。今夜はインドスパイスを利用してみた。
・オリーヴオイルに粒こしょうやカルダモン、シナモンなど、パウダーではない「形あるスパイス」を加えて香りをオイルに移す。
・スパイス類を引き上げて、バターを加える。
・みじん切りのタマネギを加え、黄金色に色づくまで炒める。
・ニンジンのみじん切りを加えて、しんなりするまで炒める。
・三大スパイス(ターメリック、コリアンダー、キュミンパウダー)を加える。
・ひき肉(今回は冷凍保存していたチキン)を入れてほぐしながら炒める。
・塩など好みの調味料で味を整える。ジャガイモを加えるのでやや濃いめに。
・ジャガイモを茹でて潰す。若干牛乳を加えると滑らかになる。
ところでインドの場合、茹で方がワイルド。わたしもそのワイルドな茹で方を実行している。小振りのジャガイモを、きれいに洗って皮のまま、圧力鍋で茹でるのだ。シューッと一吹きしたら火を止め、余熱で茹で、ほどほどに冷まして皮をむく。この方が皮をむくのが簡単。かつ、ポテトの旨味が湯の中に逃げない感じがしてよい。
・ジャガイモと炒めた具を混ぜ合わせる。
・味見をしたならば、すでにこの時点でうまい!
・尤も、この時点でまずかったら、失敗である。
・味見というよりは本気で数口、食べてしまう。
・しばらく、寝かせる。
・俵型に整え、小麦粉→卵→パン粉(日本もの)をまぶして揚げる。
・多めに作って冷凍保存。妻不在時の夫の夕飯のために。
本日の付け合わせは、キャベツと、なぜか高野豆腐。なぜなら賞味期限切れが迫っているのに気づいたためである。取り合わせが変だが、高野豆腐は夫の好物なのでノープロブレムである。
ところでキャベツについて。インドのキャベツは硬いが、芯のあたりを避け、こうして千切り(雑で失礼)にして一旦、さっと茹でると食べやすい。コールスローのようにしてもいい。レモンやオリーヴオイルなどで軽く味つけるのもいい。オリーヴオイルとワインヴィネガーでもよい。
今日のところはゴマ油に醤油、白ワイン少々、ジャガリ(無精製の砂糖)少々であえてみた。これを冷蔵庫で冷やした後、ゴマや鰹節、或いは揉み海苔などをふりかけて食べるのもおいしい。小さいものなら、二人であっという間に一玉分、平らげてしまう。
キャベツの千切りは、南インド料理風に、たっぷりのオイルにマスタードの粒(インドでは一般的なスパイス)やココナツと共に炒めて食べても美味である。
ところで、今夜の高野豆腐は、夕べの「スペアリブとダイコンの煮付け」で余った煮汁を活用した。煮汁を冷蔵庫で保存すると油脂がうまく分離するため、それを濾せば旨味の染み込んだ煮汁として再利用できるのだ。
そんなわけで、今夜もまた、美味なる食卓であった。