先日、ムンバイで購入したサリーの本。Saris Tradition and Beyond. どっしりと重量感のある「サリーのガイドブック」のような一冊です。
全28州からなるインドでは、各地でサリーが作られていますが、この本では、ケララ州、カルナタカ州、マハラシュトラ州、グジャラト州、オリッサ州、ウエストベンガル州など、12州で作られる伝統的なサリーが紹介されています。
冒頭では、サリーの概要に始まり、サリーの構造、測り方、畳み方などが図解でわかりやすく説明されています。
まずは、わたしが暮らすバンガロールがあるカルナタカ州を開いてみましょう。
州の地図には、各地で作られるサリーの特徴が記されています。木綿、絹など素材にはじまり、織り、染め、刺繍などの特徴、布の目の細かさなどが、ピクトグラムで記されています。
カルナタカ州にはマイソールと呼ばれる古都があり、シルクの産地としても有名です。またマイソールはサンダルウッド(白檀)の産地としても知られています。
サリーには、地方によってさまざまに異なる着用法があります。わたしはオーソドックスな2種類しか着付けたことがありませんが、この図を見ていると、実にさまざまなスタイルがあることを知り、驚かされました。
こちらはウッタル・プラデシュ州のページ。ラクナウという土地はチカン刺繍と呼ばれる刺繍工芸が盛んで、サリーやサルワールカミーズなど、さまざまな布製品に刺繍が施されています。
この写真は、刺繍のモチーフです。草木や花、葉、ペイズリー柄などがよく見られます。
こちらはアンドラ・プラデシュ州のサリー。シルク地に金糸が織り込まれています。
グジャラト州では多様な製法のサリーが見られますが、中でも「バンダーニ」と呼ばれる絞りのサリーは、個人的にとても気に入っています。絞りの目が非常に細かい、高品質なものが魅力的です。
ご紹介しているときりがないので、この辺にしておきましょう。この一冊がそばにあるだけで、サリーがより身近になったような気がします。
■Saris Tradition and Beyond. (Roli Books)