火曜日の朝。オリッサ州のイカット(絣/かすり)の伝統を守り、新たな潮流を育むべく活動をしているデザイナー、Gunjanの講演へ。会場は、旧居近くのブティック兼ナーサリーのAmbaraだ。ここは、わたしがバンガロールに移住した当初から時折、足を運び、サリーなどを買い求めてきた場所。Ambaraではまた、パンデミック明けやらぬ昨年のクリスマスの際、ミューズ・クリエイションの手工芸品を販売するべく場所をお借りした。
京都からのゲストを見送った後、本当は月曜の夜に街中の旧居へ戻る予定だったが、またしても大雨。バンガロール市街の随所が水没しているニュースも流れていたことから、その夜は大人しく新居で過ごし、火曜の早朝に旧居へ戻り、この催しに出席したのだった。
そうまでしてまで訪れたかったのは、AmbaraのオーナーであるJaya(赤いサリーを着た女性)が「ミホは必ず関心を持つに違いないから」と強く誘ってくれたこともある。彼女の言う通り、絣が好きなわたしにとっては、知見を深める好機でもあり。オリッサの絣のサリーを着て行こうかとも思ったが、久留米絣のジャケットを羽織って出かけた。
会場では、友人Devikaもキーパーソンとして参加していた。彼女は、わたしのインド手工芸品に対する関心を強めるのに、多大な影響を与えてくれた女性。10年前のカシミールの手工芸品を巡る旅を皮切りに、さまざまに関わってきた。
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Gunjanの説明に伴って、次々に広げられる作品(商品)の数々。見れば目が喜び、触れれば手が喜ぶ。滑らかなシルクもあれば、軽やかに涼しげな麻もある。従来、イカットは綿か絹が用いられてきた。Gunjanは新たな試みとして、麻を染め上げる数々の実験を、職人たちとともに重ねてきたと言う。
伝統的な魚のモチーフが施されたもの、草間彌生の作品に着想を得た水玉とバラが鮮やかなもの、麻のうえに優しげなピンクの水玉が広がる新たなもの……。一つ一つのサリーに物語がある。あれこれと欲しくなるが、昨年購入した未着用のサリーがまだ何枚かある。箪笥の肥やしにするのは心苦しく、ひとまずは手持ちのサリーをもっと着る機会を増やしたい。
⬇︎この動画の概要欄に、インドのテキスタイルや手工芸品に関する関連情報を記載しているので、関心のある方がぜひ、ご覧ください。
🇮🇳🇯🇵数千年の歴史あるテキスタイルが新たな感性で蘇る。 若手が担うインドの伝統的な手工芸。絣(かすり)や絞り染めなど、日印に共通する技術も。
Vriksh Designs
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