インドに来てよかったと思えることのひとつ。
アーユルヴェーダに出合えたこと。
中学時代にバスケットボールで痛めて以来、持病と化していた腰痛。
年を重ねるごとに悪化して、鍼灸、整体、カイロプラクティック……。
あれこれ試して完治に至らず、年に1、2度ぎっくり腰状態。
くしゃみをすれば、電流のような痛みが走り、
ついには座骨神経痛にまで発展し、このまま40歳を超えたらば、
益々悪化するに違いないと悲観していた。
インドに来て、定期的にアーユルヴェーダに通い始めて、
思い返せば1年もたたないころには、
自分が腰痛持ちであったことを、忘れかけていた。
今では、すっかり痛みから開放されている。
我が母にせよ、夫にせよ、アーユルヴェーダから受けた恩恵は、枚挙に暇がない。
インドに移住してまもないころから、何度となくお仕事をご一緒しているクライアント。東京で、超ハードワークの日々を送る彼女にも、ぜひアーユルヴェーダを試していただきたく、久しく滞在をお勧めしていた。
今年ついに、1週間の休暇を利用して、「アーユルヴェーダグラムに滞在し、心身を生まれ変わらせる」ために、渡印された。
彼女に会うため、昨日、わたしもアーユルヴェーダグラムへ赴く。いつものマンモハン医師にお会いし、特に悪いところはないのだが、コンサルテーションを受け、軽く世間話をし、トリートメントを受ける。
ランチタイムでお会いした彼女は、まだ1日半の滞在だというのに、すでにリフレッシュした表情。
働く日本人にとって、「ゆっくりと休むこと」が、実は最も難しいことなのかもしれないと思いつつ、こうして思い切って休暇を取り、インドに来てくれたことを、とてもうれしく思う。きっとこれから先の人生が、大きく変わるに違いないから。
働き詰めの彼女に対し、ドクターはこう言ったという。
「自分の身体を、大切な楽器だと思って、取り扱いなさい」と。
本当に、そうだと思う、どこか少しでも不具合があると、きれいな旋律を奏でられない。日々、丁寧に磨きをかけ、時に音色に耳を傾け調律し、取り扱いは丁寧に。難しいことではなく、日常のささやかな心がけが、健康、不健康を分つことになる。
いつも心地よく、艶やかなメロディーを奏でていたいものだ。