赤ワインを入れ、つまみなどを食べながら、至福のひととき。夕暮れの涼風が、書斎の窓から吹き込んで心地よく、空を仰げばモンスーンの時節の雲が麗しく、一日の終わりの光を通しながら、輝いている。
本日の午前中は、ミューズ・リンクスのセミナーを実施した。
といっても、バンガロール在住者が対象ではなく、夏休みを利用してバンガロールへインターンに来ている学生たちがオーディエンスだった。
外部から依頼されるセミナーは、たいていわたしが指定の場所に出向くパターンが多いが、我が家も20名以内ならセミナーを行える設備があるので、今回はお誘いした次第。我が家でのセミナーは、もれなく「おやつ付き」という小さな特典もある。
今回は、学生が対象ということもあり、学生たちをオーガナイズしているクライアントのご意向もあって、主にはわたし自身のバックグラウンドを、お話することにしていた。
大学を卒業して上京し、その後、ニューヨークに渡って起業。最終的にインドにたどり着くまでの変遷など。その過程において、わたし自身が身を以て得た教訓はたくさんあり、そのような事柄の一部を、シェアできたなら、と思った。
思ったが、せっかく2時間もあるのだから、やっぱりインドの概要は知ってもらいたい。というわけで、いつもの通り、詰め込み過ぎかもしれないと思ったが、若者なら脳みそも柔軟だし、怒濤のトークにもついてきてくれるだろうと判断し、後半は、「インド入門編」の概要部分を語った。
この入門編は、毎度書いているが、知っておくと本当に役立つことがたくさんなのだ。
わたし自身、学生時代に出会った「印象的な人物」のことは、未だに鮮明に思い出せる。自分の今を形成する上で、少しでもヒントをくださった人のことは、忘れられない。
わたし自身が、彼らにとって、どこまで印象的な言葉を口にできたかは未知数だが、ともかく、「インドで、やたら熱く語るパワフルな日本人のおばさんがいたなあ」ということは、きっと覚えていてくれるだろう。
あれこれ熱く語ったが、「健康第一!」「自炊能力を身につけよ!」だけは、忘れないで欲しいと思う。
2時間のセミナーのあと、最近のマイブーム「マンゴー入りロールケーキ」とおいしいコーヒーやお茶を出し、ティータイム。その間に質疑応答。というわけで、気がつけば3時間以上の、若者らとの交流であった。
一昨日、バンガロールに到着した彼らは、これから20日間バンガロールで過ごす。未知の世界を訪ね、未知の世界で束の間、働く。すでに異国でひと夏を過ごそうとしていることで、大きな一歩を踏み出している彼ら。この夏の経験は、きっとかけがえのないものになるに違いない。前のめりで貪欲に、多くを吸収してくれればと、人ごとながら、そう思う。
ところで、昨日のランチは久々に母と外食をした。
なにしろ母は、現在アーユルヴェーダの治療14日間集中コースを受けている身の上。せっかくならば、食事もなるたけ自宅でヘルシーなものを、と考えている。が、時には気分を変えたいというもの。午前中、買い物をすませた後、ランチタイムはUBシティのイタリアン、Toscanoへ。
わたしの日常はといえば、毎週金曜日にサロン・ド・ミューズをオープンするので、いかにも大勢の人々と日常的に関わっていると思われがちだが、さにあらず。
平日の外出はほとんどが一人。外食のランチも、ほとんど一人だ。そんなわたしが、一人の際に利用する店はたいてい決まっている。条件は、一人でも、ほどよいヴォリュームでおいしい食事ができる場所。
というわけで、このToscanoは、結構利用頻度が高い。その他には…… Smoke House Deli、Sunny'sといったところか。いろんな店を、一応は試してみるが、心地のよい場所、相性の合う場所というのは、そうたくさんあるわけではない。お茶をする場所はまた別で、OberoiやTaj West End、レインツリーのカフェが心地よい。
Toscanoのランチは、それなりにおいしく、母も喜んでいた。頼むメニューはいつも似通ったものばかりだが、それはそれ。
ところで、これ。夕べ、「たこ焼き実験」をしてみたの図。実はタコはおろか、なんの具も入っていない。このいかにも「たこ焼き器」っぽい調理器具を通販で購入したので、試しに焼き実験をしてみたのだ。
南インドには、「パニヤラム paniyaram」という食べ物があり、それを作るための調理器具なのだ。ドサやイディリなど、南インドの他の主食と同様、米の粉と豆の粉を混ぜ、水につけて発酵させたものが生地となる。このパニヤラムの見た目、調理器具ともに、たこ焼きのそれ、そっくり。
先日、友人がこれでたこ焼きを焼いているのを知り、わたしもやってみようかな、と思い立った次第。実は、先日作ったイカのハンバーグが非常においしかったのだが、卵を泡立てていれることから、具が緩くなり、きれいな形に整えるのが難しかった。そのときに、このたこ焼き器がひらめいて、早速通販で注文したのだ。
油を塗らなくてもノープロブレム。きれいに焼けるのに驚いた。これは使える。もう一つ購入して、一気に14個焼けるようにしようと思う。
タコがなくても、エビやイカでおいしい「なんちゃってたこ焼き」も作れる。甘いパンケーキ風にすれば、オランダ風のお菓子も作れる。鈴カステラも作れる。というわけで、今後、いろいろと試してみようと思う。