自分を取り巻く世界は、
見方、考え方ひとつで、大きく変わる。
母国とは、当然ながら勝手が違い、
自分の望む通りにならないことは山とある、
異郷での暮らし。
しかし戸惑うことが多いのは、
なにもインド生活に限らない。
この世のどこを探しても、理想郷は、多分ない。
そこでどう生きるのかは、自分の気持ち次第。
インドの魅力、いいところはたくさんある。
しかし、先入観に囚われて、
見つけようとしない人、
見つけたくもないと思う人、
見つけてどうすると思う人を、
たくさん見てきた。
この国を嫌悪するのはその人の自由。
しかし、楽しめないのは、その人の責任。
インドのせいではない。
ここで母は、それなりに快適に暮らしている。
いいところばかりを見せているわけではない。
贅沢ばかりをしているわけでもない。
たとえば、アーユルヴェーダひとつをとっても、
疑心暗鬼の人もいるし、
オイルでの治療を好まない人もいる。
万人受けするトリートメントでは、多分ない。
しかし、母は娘が勧めることだからと、
疑いなく受けることで、
その恩恵を余すところなく受けている。
その柔軟性は、とても大切なことだし、
自分にとっても、きっとプラスになる。
こうして日々を写真に捉えれば、
「できすぎている」とさえ、思われそうだが、
しかし、これもインドの日常の断片。
いいところばかりを、敢えて見せているわけでもない。
昨日、母は4年前の来訪時に知り合ったバンガロール在住のTさんと、
ランチへ出かけた。
きれいな花束を抱えて、迎えにきてくれたTさん。
チャイニーズのランチを楽しんだ後、
オベロイホテルのカフェで語り合ったそうだ。
母も、とてもうれしそうだった。
本当に、ありがたい。
その後、母はアーユルヴェーダの治療を受けに診療所へ。
ドライヴァーのアンソニーがついてくれるので、
わたしは同行する必要がない。
とても、助かる。
そして今朝は、母の血液検査。
アーユルヴェーダグラムのマンモハン医師に、
母の身体の問題点を告げたところ、
コレステロール値、ヴィタミンD、
そしてカルシウムを分析する検査を受けるよう言われていた。
わざわざ病院に行く必要はない。
インドでは、血液の採取も自宅まで来てくれるのだ。
インドのサーヴィスは、なってないと世間はいう。
確かに、それは一理ある。
しかし、9時5時厳守、
「無駄」や「余計」なサポートはなく、
困ったときに、
とりつくしまもないことが多かった米国に比べ、
インドの人々は、気軽に自分の携帯電話番号を教えてくれる。
例えば家電が故障したり、
コンピュータのインストールがうまくいかなかったり、
困ったことがあったりして、
夜の10時ごろなどに電話をかけても、
対応してくれたりもする。
いいことも、悪いことも、
あまりに日常の出来事すぎて、
このごろは敢えて文字にすることが少なくなった。
しかし、この国のいい部分は、たくさんあるのだ。
ということを、ときにはきちんと書いておきたく。
特に、悪いことばかりが耳に入ってくるときには。