インドの工事現場を見るたびに、途方に暮れる思いがする。たとえば、この階段。既存の建物の外に、増築されている部分だ。
セメント成分が少なく、「つなぎ」の砂利の多さ。
しかし、底の部分はかなりきめ細かく、コンクリートの仕上がりも「それなり」に見える。
結局は「底」で支えているようなものなのか階段。
この作業工程。コンクリートが完全に乾いてしまうまで、木材で支えるという工法は一般的である。
なんかこう、見ているだけで、「ああ、もうやめて!」と頭を抱えてしまいたくなるような、やり切れなさを感じてしまう。
エコ、である。非常にシンプルだし、これでいいんだと思う。でもでも、やっぱりわたしは日本人。時にインドのやり方を、どうしても受け入れられない。
わが亡父は建設会社を経営していた。だからというわけではないのだが、幼いころから「工事現場好き」であった。
建物が構築されていく様子が楽しく、よく眺めたものだ。
グレイの作業着に黄色いヘルメット。軍手をはめ、手際よく、几帳面に作業を進める土木作業員たちの姿を見て来た。
折しも世間は高度成長期で、家の前の砂利道がアスファルトに変わる様子や、側溝にコンクリートの蓋が被せらる行程や、ブロック塀が積み上げられて行く様子を、しみじみと眺めることができた。
だから尚更、このインドの、建築の「限りなく杜撰に見えるやりかた」に、茫然とするのだ。それはなかろう、と。
しかし、建物の大半が、倒壊せずにきちんと立ち続けているから、不思議である。これでいいのか? とも思う。世界遺産だって、何百年も何千年も崩れずにあるし。
などと考えることによって、気を紛らわすのである。
工事現場になじみ深い幼少期を送っていたからこそ、今の自宅を購入した際の内装工事にあたっても、あれだけの「壮絶な仕切り」ができたのだ。さもなくば、普通、やれないと思う。しかもインドで。
ちなみに下記、2007年初頭の「新居購入から内装工事完了」に至るまでの記録がまとめられている。いま、ざっと読み返しただけでも、かなりのものだ。
よくもまあ、1カ月半という短期間で、内装が完了したものだと我ながら改めて感心する。インドでだって、やろうと思えばできるのだ、という非常に小さな一例である。
励まされる、というよりは、むしろげんなりする人もあろうかと思うが、ご興味のある方、どうぞ。
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さて、こちらはインドビジネス情報誌、INDO WATCHER。2011年2月号の特集「インド駐在生活の知恵」を執筆した。
この記事、なかなかに評判がよく、数名(少ない?)の方から好意的な感想をいただいた。
正直なところ、駐在員の方々に対しては、ストレートに受け入れられ難いかもしれないと思っていただけに、共感を得られたことはうれしい。
近い将来、大幅に加筆、修正を加えて、同様のコンセプトの情報を、自分のホームページなどでご紹介できればとも考えている。
インド発、元気なキレイを目指す日々(第二の坂田ブログ)(←Click)
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