金曜の夜、バンガロールに戻ってきた。久しぶりにムンバイ発の飛行機が遅れ、1時間ほどのロス。ともあれ、バンガロールに戻り、たとえ喧噪の空港でも、涼しい風を受けるとホッとする。
空港といえば、まもなくバンガロール新国際空港がオープンする。予定通りにいけば、4月早々から「国内線国際線すべての便」がその新空港から発着し、現在の空港は閉鎖される。
が、空港までのハイウェイが出来上がっておらず、市街南部からだと3時間以上もかかるらしい。我が家からは2時間程度か。いろいろと書きたいこと山の如し、なのだが、考えたくないので、ぎりぎりまで考えないようにしている。
土日は、食材の買い出しを除いて、ずっと平穏に家で過ごした。庭でぼーっとしたり、昼間からワインを開けて、DVDを見たり、本を読んだり。
アルヴィンドにつきあって、もう一度 "The Namesake"を見た。それから "Om Shanti Om"も。わたしは "Om Shanti Om"、結構好きだったのだが、アルヴィンドは「くだらない!」といって途中で見るのをやめようとする。
楽しいじゃないのよぉ! と最後まで見るよう促すのだが、劇場が火事になるシーンの前で「もう、我慢できない!」とブチンと切られてしまった。ここから物語が始まるというのに!!
くだらないといえば、ボリウッド映画の大半がくだらない気がしないでもないが、 "Om Shanti Om"は、かなりハイクラスな映画なのだ。なにしろ主演はシャールク・カーン。相手役のヒロイン、ディーピカ・パドゥコーネも、ものすごくかわいい。どことなく昔の多岐川裕美を彷彿とさせる。
ともあれ、わたしはすでに2回も見ているので(いつのまに?)いいのだが。このエンターテインメントを夫婦で分かち合えないのは若干、残念である。
それにしても、わたしもずいぶん変わったものだ。インドに住むと、感性までインド人化するのだろうか。米国時代、アルヴィンドが懐かしんで見ている傍らで、あんなに「あほくさ」と思っていたボリウッドの「踊って歌って」映画を、愛好するようになってしまったとは。
それはそうと、現在月曜の午後。
今朝もまた早起きで、夫を送り出す。今回はムンバイではなくシンガポール。わずか1泊2日の出張だ。
それから庭をウォーキングし、軽くヨガをしてシャワーを浴び、朝食。さて、メイドのプレシラが来る前に洗濯機でも回そうか……と思ったところから、インド的トラブルの連続。
水道管が、おかしい。水を出すたびに、なにやら管楽器のような音が家中に響き渡る。配管工を呼ぶ。
洗濯機も、おかしい。水が延々に出続けて、とまらない。つまり、回らない。メーカーに電話。修理のアポイントメント。
10時には来るはずの、年に2回のシャンデリア掃除の人が、時間通りに来ない。来ない。催促の電話。来ない。
Airtelの電話料金の引き落としがうまくいかないらしいく、今回は現金か小切手を窓口で支払ってくれとSMS。嗚呼! 午後歯医者の前に行こう。
「来る前に電話して」と頼んでいるのに、突然やってくる月に一度のペストコントロール(ハーブによるゴキブリ駆除)。在宅だったからよかったようなものを。
そんなこんなが一気に押し寄せて、朝の2、3時間が、無為に過ぎてしまう。
実は明後日から3泊4日でドバイ行き。短期間ながら、夫の出張に同行である。バンガロールからエミレーツの直行便が出ているのだ。
来週は取材が入っていることもあり、あまりに慌ただしいので行かないつもりだったのだが、毎度「一緒に行こうよ〜」と誘われてついつい、誘われてしまった。
アラブ圏。実は今まで、旅したことがなかったのだ。行かずしてどうする、と先週、ふと思い立ち。
思い返せば、わたしの理想とするところは、「東西南北の人」であったのだ。こんなにも身軽に旅ができることの幸せ、を噛みしめつつ。
庭に立ちて、空を仰げば。今日の空も青いぜ。
上の写真は、ムンバイ、コラバ商店街の小さなレース&刺繍専門店。詳しくは、またいつか。