6月29日の記録のふりをしているが、今は7月1日の夕方である。おっ、すでにインターネット開通? と思われたいところだが、世の中(インド)はそんなに甘くない。
今朝、電話会社の人がインターネットの接続に来る予定だったのだが、朝っぱらから豪雨豪雨豪雨! 従って世の電車をはじめとする交通機関はとまり、世の出社率はかなり低い模様。商品説明に来るはずのSONYスタッフも、結局は出社していないとのこと。
こんな風に、なにかと世の中の動きが途絶えていてなお、この国の経済が成長などしているあたり、最早「神業」としか思えぬ。
かくなる次第で、現在、自宅「裏」のTAJ PRESIDENTのロビーである。ホテルのインターネットサーヴィスを、もちろん有料であるが使わせてもらっている次第。
実は、自宅からもホテルのサーヴィスが「傍受」できる。しかしデスクのある場所ではなく、「ベッドルームの窓辺の低い位置限定」というのが微妙なところ。ともあれ数時間はホテルで作業をしようと思う。
フィレンツェに来ている。
わけではもちろんなく、リヴィングルームの窓から眺めるThe Taj Mahal Palaceのクーポラ即ち天蓋である。左のビルディングがもう少し左に寄ってくれれば、インド門をも見遣れたところだ。
本日、日曜から暮らし始めた新居。想像以上に使い勝手がよい家だ。熱い湯が潤沢に出るシャワーを浴びながら(インドでは有り難いこと)、よく冷えたワインで乾杯をしながら、夜景を眺めながら、好物件を見つけられた幸運を噛み締める。
●TVやホームシアターシステムを調達
ムンバイ中心部にあるVijay Sales本店へ、我が家のTV大臣であるところのアルヴィンドと、TV及びDVD(ホームシアターシステム)を購入に出かける。
あれでもないこれでもないと悩む。
結局のところ、TVの画質も、DVDのスピーカーからの音も、わたしの好みを反映させる形となった。
いくつもの音を聞き分けるうち、頭痛に見舞われた。
試聴に使われるCDが、けたたましいボリウッド音楽ばかりなのだ。時折の金属的な高音も鋭い。
日曜とあって、店内は込んでいる。従っては他の客と交互に試聴するのだが、その際の、世間の音量があまりにも大きすぎるのだ。
マルハン家周辺は、わたしと同様、大音量を好まない。自らの話し声からして静かでスローな義姉スジャータに至っては、映画館へ「耳栓持参」で赴く。インドでは、なかなかに生きづらかろうと思われる。
さて、結局はTVもホームシアターシステムも、どちらもSONYの商品を買うことに決めたのだが、支払いの段になって、今日、持ち帰れないことがわかる。明日、郊外から配達するとのこと。
しかしながらマイハニー。どうしても、今夜見たい番組があって、そのために夕方6時にケーブルを接続をしてもらうべく手配をすませているらしい。
「先にTVを買ってから手配しろよ!」
と言いたいところだが、まあ抑えて抑えて。
早速、TV大臣は自宅に近いナリマン・ポイントにあるSONYの専門店に電話で問い合わせ、そこで本日受け取れるかどうかを確認。どうやら現物があるらしく、そこで購入することに決めた模様だ。
Vijay Salesのスタッフ数名が密着で商品選びをしたにも関わらず、申し訳ないではないか。わたしが掃除機やアイロンやヘアドライアーなどを購入したので、なんとかお茶を濁せたものの、なかなかに迷惑な客である。
帰りにSONY専門店に立ち寄り、なんだかんだで時間がかかり、結局この買い物だけで、行き帰りを含めて4時間もかかってしまった。
妻は人間ができていないので、一言言わずにはいられない。
「アルヴィンドもさ。ちょっとはわかってほしいよね。わたしが一日で大半の家財道具を調達したからこそ、今日、ホテルをチェックアウトできたんだよ。買い物って結構たいへんだって、少しはわかったでしょ?」
「I understand! (わかってるって)。ゴチソウサマデシタ!」
それを言うなら、オツカレサマデシタ! やろ!!
●徒歩1分で、小じゃれた食料品店
インド中堅財閥のGodraj。金庫や収納庫、冷蔵庫などを生産する企業だが、昨今、他の財閥同様、小売り事業にも進出。パック入りの鶏肉(といっても丸ごと)や冷凍食品(といってもトウモロコシやグリーンピーなど)などを販売し始めている。
そのGodrajのスーパーマーケット、NATURE'S BASKETが、我が家の斜向いにあるワールドトレードセンターのグランドフロア(1階)にあった。
ちなみに左の写真が、我が家の窓から望むムンバイのワールド・トレード・センター。
各種エキシビションなどを行われている。
主には国営の工芸品店や地味な店舗によって構成された裏寂れたショッピングアーケードもある。
話を戻してNATURE'S BASKET。
生鮮食料品、加工食品、輸入食品、ハムや鶏肉など、一通りの食料品が揃っている。
輸入食品のコーナーは、狭い店舗ながらもイタリア、フランス、メキシコ、中国、タイ、日本などとコーナーが分かれている。日本のコーナーには真空パック入りの豆腐やそうめん、海苔、ごま油、味噌(韓国製)などがあった。
全体に値段がかなり高いが、その品揃えの豊かさを見ていると、買うわけでもないのに、なぜか安心する。ハーゲンダッツのアイスクリームが1パイント650ルピー。1500円を超える。
それでも気軽に買って行く人々がいるあたり、やはりこの界隈、富裕である。ちなみにわたしとアルヴィンドは「インドのアイスクリームで十分派」である。
ところでアルコール販売のコーナーもあり、インド産ワインをはじめ、国内外のアルコール類が結構豊富に置かれている。
わたしがムンバイにいるときに、買い物はすませておくつもりだが、アルヴィンドがひとりのときにも、ここへだったら気軽に買い物にこられる。安心だ。
●アイロン屋はじめ、さまざまな営業
カフ・パレードのこの一帯は、高層アパートメントビルディングが立ち並ぶ古くからの住宅地。1970年代に開発が始まったようで、このカサブランカも築30年を超えている。
つまりは住宅地としての基盤が整っているせいか、生活者への便宜が整っているということが、1日目にしてわかる。
今朝から何人かの「営業」が来た。まずは「ドビー」と呼ばれる洗濯&アイロン屋。洗濯は自宅でするが、アイロンは嫌いな家事なので、すぐにドビーを探さなければと思っていたところだった。
1枚2ルピー、つまり5円程度でやってくれるという。バンガロールは3ルピーなので、こちらの方が安い。シーツなどの大物は5ルピーだが、たいした額ではない。一安心だ。
いざというときのために、アイロンを購入していたが不要だったかもしれぬ。
その後、パン売りが来た。パパイヤ売りも来た。新聞屋も来た。これからしばらくは、いろんな営業がやってくることであろう。
●ソサエティの充実で住みやすい環境
このアパートメントはソサエティも充実しているようで、先般の「新入居者面接」をはじめ、地域の結びつきがしっかりしているようである。
ゴミ出し袋も支給され、黒い袋には生ゴミを、白い袋にはその他をという具合に分別を要求される。ちなみにバンガロールでは適当に出し、ゴミ収集人がゴミを仕分けしている。
ゴミは午前8時から8時半の間に玄関先に出しておくと、回収してくれる仕組みだ。何かと、便利である。
●早速、メイドも確保。
ムンバイではメイドを見つけるのも難しくないと聞いていたがその通りだった。しばらくは自分で家事をしようと掃除機も購入したのだが、9階に住んでいるコリアン女性のキムさんが、自分のメイドを勧めてくれた。
そのメイドは仕事もできて、信頼のおける好人物らしい。キムさん宅では3時間ほどしか使っていないから、彼女に時間があれば、ということだったのだが、あいにく数軒を掛け持ちしていて忙しいらしく、彼女の妹を紹介された。
姉妹で面接にやってきたのだが、ふたりともやさしい笑顔をしていて、とても感じがよい。
英語はあまり話せないが、なんとかコミュニケーションはとれる。
うちに来てくれるのは、写真左の女性、妹のジャヤ。
部屋の掃除や洗濯など、ひとまずは平日一日2時間程度を頼むことにした。
様子を見て、買い物を頼んだり、インド料理を作ってもらうなどもお願いしようかと思っている。
新居での、最初の夕食。
今日はまだ外食を予定していたのだが、夜になって大雨が降りはじめたので、NATURE'S BASKETで適当に購入していた食材を用いてわずか一品だけの適当な夕食。
タマネギともモヤシ、それからNATURE'S BASKETに売っていたオベロイ・ホテル製のソーセージを炒めた。
そしてMOSHE'Sで買って冷凍保存しておいた全粒小麦製のパン (Baladi Bread) 。
まだ、テーブルクロスもランナーもマットもなく、殺風景かつ質素な食卓であるが、なんともいえずほっとする味。
先日、INDIGO DELIで買っておいたトマトとニンニクで作られたスパイシーな調味料を、炒め物の隠し味に使ってみたのだが、これがよかった。
よく冷えたインド産SULAの白ワインで乾杯。パンも想像以上においしくて、最初の晩餐は地味ではあったが、幸せであった。