バンガロールにHARD ROCK CAFEがオープンしたことは知っていたが、訪れる機会のないままだった。なぜか今年に入って引っ越しをしたこのブログの最初に、オープンしたての外観の写真を使っている。
以前、BARISTA CAFEだったころ、何度か足を運んだ。
天井が高く、味わいのある石造りのビルディングで、とても居心地がよかった。
左の写真がそれだ。
生まれ変わった店内も、きっといい感じであろうと思いつつも、行かないまま、ようやく本日訪れた。
日本から赴任していたKさん一家が明日、帰任するとのことで、最後にここで落ち合うことになったのだ。
7時半ごろ到着したら、Kさん一家と後任のやはりKさん、それからHARD ROCK CAFEのすでに常連だと言うユカコさんとビル、そしてジェイク君が来ていた。
まずはドラフトビールで乾杯。
食事は、ビルが太鼓判を押すハンバーガー、それからフライド・カラマリ(イカリングのフライ)を注文。
「分けて食べるなんて、ありない!」
「不可能! 間違ってる!」
「わたしたちは、絶対、一人一つずつ!」
と二人そろって力説。一人一皿は、ミラー家におけるハンバーガーを食すにあたっての鉄則らしいことがうかがえる。
食欲旺盛な我々も、本能に任せれば一人一皿を平らげたいところである。
しかし、週末食べ過ぎの我々。増量が気になる。こんな巨大バーガーを一人で平らげたら、益々増量だ。
そんなわけで過度に厚みのあるハンバーガーをうまく半分に切り、分ける。
ガブリとかじれば、ビーフの風味、オニオンリングやベーコン、チーズの風味が一気に押し寄せて、おいしい!
紛れもなく、アメリカの味。懐かしい味だ。
フライドポテトも食べはじめるととまらない。ハンバーガー半分では満足しなかったアルヴィンドは、メキシカンなファヒータも注文していた。結局のところ、増量である。
ちなみに右下の写真は、シズラー(鉄板焼き)の煙に包まれた男衆。エクトプラズム(心霊現象)ではない。
ハードロックカフェにちなんでか、一時音楽の話題が出る。K氏が若かりしころ、バンドでドラムをやっていたらしい。わたしも実は、キーボード(シンセサイザー)担当で、高校時代、二つのバンドのメンバーだったことがあった。
スタジオを借りて練習を繰り返し、博多のライヴハウスで、何度かライヴをやったこともある。封印したい記憶が多すぎて、詳細は封印し続けていたが、そのバンドがやっていたのは、ヘヴィメタルやらハードロックやらのコピーであった。
ピアノをやっていたので、音感はそれなりにあったわたしは、彼らがやりたいという曲を聞き、キーボードのパートを楽譜に落とし(楽譜が売っていなかった)、何度も熱心に練習したものである。
時折、音を外して演奏するギターやベースに、間違いを指摘するたび、
「間違っとらんって!」
と、反発を食らったものである。
「間違っとうって! もう一回、弾いてみてん! 音が外れとうって!」
昔から、口うるさい女ではあった。
思い出すのは、マイケル・シェンカー・グループとか、日本のラウドネスとか。もっといろんなバンドのコピーをやったはずだが、なぜかなにも、思い出せない。上記二つのバンドの曲は、多分好きだったから、覚えているのだと思う。
「ふ・さ・ぎ・こむのは〜 やめにしようぜぇ〜!」と熱唱するラウドネス。あれはよかった。
ドラムの横山くんが、
「オレ、ふさぎこむのは〜、っていうとこ、はじめ、よく聞きとれんかったっちゃん。うさぎとるのは〜、って歌いようと思いよった。うさぎとるのは〜やめにしようぜ〜って、変な歌やね〜って思いよったったい!」
「そんなわけ、なかろうもん! あんた、ばっかやないと〜?!」
などという阿呆な会話をしながら笑い転げる箸が転げてもおかしい年頃の我らが姿まで、ついでに思い出した。
ところが好きだったはずのマイケル・シェンカー・グループの曲が思い出せない。気になる。気になる。気になって、深夜ごそごそと、クローゼットの「カセットテープ箱」を引っ張り出す。
あったあった。高校時代にダビングしたカセットテープと、その後20歳のとき、初めて渡米したロスで買ったカセットテープが。
レタリングで丁寧にM.S.Gと記したのがついこの間のことのようだが、すでに25年前。ピンク色も鮮やかに、まだ新品のようだ。さすが日本製。インド製なら1年後にまるで25年後のような味わいとなること請け合い。
そんなことはさておき、このアルバム「神」がお気に入りだったのだ。曲名を見た途端、メロディーが次々に脳裏に浮かんで来た。
"Armed and ready, don't let me down tonight!"
"Are you high!"
うぉ〜! 懐かしすぎる!!
インストロメンタルの "Into the arena"。これがまたいい! キーボードの出番も多かったのだ。ああ、鳥肌が立つ!!
アルヴィンドにうるさいと言われつつも、やめられない。今聴いても、やっぱりいい。久しぶりにハードロックの封印を解き、ティーンエージャーの心を思い出すひととき。
それはそうと、バンガロールの思い出に、店内のショップでTシャツを買うというKさんに触発され、なぜかわたしも欲しくなって買った。右上の写真の赤いTシャツがそれだ。HARD ROCK CAFE BENGALURUである。
わたしがあれこれ選んでいると、アルヴィンドも欲しいという。ニューヨークのユニクロで購入したゴルゴ13に引き続き、またしても自分のイメージとは著しくかけ離れたデザインだが、それもまたをかし。Tシャツだもの。
そんなわけで、毎度よくわからんストーリー展開となったが、楽しい夜だった。
Kさん一家の日本での新生活が、つつがなくスタートされることを願って。
GOOD LUCK!