ゆうべ、バンガロールからムンバイに戻って来た。バンガロールも暑くなっていたが、ムンバイもわずか5日間の不在のうちに、真夏に突入である。
先ほど、新聞に気温の上昇に伴う注意事項が記されていたのを見た。直射日光を避け、水を飲む。顔や頭、首筋や腕など、身体に水をかけて潤すなどのアドヴァイスである。
それにしても驚くのが最高気温。なぜか北ムンバイ、空港のあるサンタクルズの方が、わたしたちの暮らす南ムンバイのコラバよりも気温が5℃近くも高い。
たとえば水曜日の最高気温。サンタクルズは40.6℃に対し、コラバは34.5℃。34.5℃でも十分に暑いが、でもサンタクルズよりはましよね、と、少し救われた気持ちになる。
そもそも暑さには強い方なので、これでも暑い暑いと言っていない方だと自分では思っているのだが、暑い。
夕べ、1週間ぶりに再会した夫に対し、
「ハニー、久しぶり!」
と言ってハグをする気にもならんほどだ。
就寝時も、やたら体温と湿度の高い乳児のようなサウナ体質の夫と寝るのが辛く、ベッドの端に避難するようにして寝た。
暑さのせいで、夫婦間に亀裂である。
冷房を入れたまま寝ると喉をやられたり肩や腰や関節が痛むなど体調を崩すので、天井のファンを弱く回しているのだが、寝苦しい。これはこれで体調を崩しそうだ。やれやれこれからどうやって夏をしのぐのか。
モンスーン前の暑い時期、4月5月を、ムンバイから離れて過ごす日数が長かったのは幸運かもしれない。ともあれ2週間の旅から帰って来たら、より蒸し暑さが増していることだろう。要覚悟である。
かくなる次第で、夕べは熟睡できなかったのだが、しかし今朝は7時からのFM熊本の収録に備えて6時起床である。せめて1時間前には起きないと声が出ないし、早朝は頭もよく回らない。
ガネイシャ像の前で、般若心経を唱えて発声練習代わりである。ちょっぴり奇妙。
インドからのライヴなレポートは、隔週の金曜日の朝、熊本地方にて放送されているのだが、いったいどれほどの人たちが聴いてくれているのだろう。
さて、本日の緑の写真は、おなじみバンガロール宅の光景である。昨日の朝は、庭の木々(といっても隣の敷地からせりだしている大樹による借景だが)を名残惜しむように、眺めつつ、お茶を飲み、朝食を食べ、コーヒーを飲み、過ごした。
木の実をついばむさまざまな野鳥の鳴き声が、呼応し合い、響き渡り、暑くてもバンガロールのそれは風が軽く、ことに朝晩は過ごしやすく、年々樹木の伐採が進んで気温が上昇傾向にあるとはいえ、平和なひとときだ。
わたしのカメラではうまく撮れないが、樹上で木の実をついばむ鳥たちの様子である。黒い鳥は、カラスに似ているが、カラスではない。尾が長く、茶色い羽根を持っている。
先月は、葉を落とし、新芽がつきはじめたばかりだったインド菩提樹の木は、すでに新緑に覆われていた。
刻一刻と表情を変える緑の様子。
次にバンガロール宅に戻るのは1カ月後。
そのころはまた、新しい花が咲いていることだろう。
ところで、今回のバンガロールは、日曜から昨日木曜までの短い滞在であった。
にも関わらず、月曜は体調を崩し、終日家で過ごした。普段は敢えて記さぬが、わたしも折に触れて、人並みに体調を崩すのである。
幸い月曜は家のことをする予定で、人と会う約束をしていなかったので、心置きなくごろごろとしていた。一日休養すると、翌日は過剰にエネルギーが漲る。
火曜は朝から街へ出て用事をすませ、買い物に出かけ、夜はゲスト来訪(日本人女子2名)のための準備を。
メイドのプレシラに、すでに彼女の「18番」となった日本のパン粉使用「コロッケ」を作ってもらい、わたしは、「独創ヘルシーチキンスープ」を作ったのだが、今ひとつ謎めいた味になってしまった。
ルクルーゼの鍋にでも入れて出せば雰囲気が出たのだろうが、あいにく持っておらず、保温性を鑑みて「日本の鍋用の土鍋」で供したのが、どうもヴィジュアル的に敗因だった。
プレゼンテーションは大切である。
とはいえ、二人が持参してくれた料理やワインも食卓を彩り、満足の夕餉だった。体調を崩していたとは、きっと誰もが思えないほどの飲みっぷりとしゃべりっぷりで、7時過ぎに集合、宴は深夜まで続いたのだった。楽しかった。
水曜も日本人マダム&その息子(ほぼ大人)とランチを共にし、昨日は久しぶりにOWCのコーヒーモーニングに参加するなど、短いながらも意義深いバンガロール滞在であった。
コーヒーモーニングのあとは、空港に向かう午後2時まで、The Leela Palaceのダイニングで、日本人マダムらとランチブッフェ。
わたしを含め、国際結婚な人4名と、海外在住経験のある人2名、そして赴任したてでOWC会員になったばかりの1名とで円卓を囲む。
こういうメンバーの場合、各々がそれなりに饒舌なので、会話はたいそうにぎやかなものとなる。
本日は、食事は軽くサラダブッフェに抑えておき、おいしそうなデザートを今日は多めに堪能した。
新しいペイストリーシェフに変わったとのことで、どれもとてもおいしかった。
さて、我々夫婦は、今夜の便でまずはスイスのチューリヒである。スイス、と書くだけで、ヨロレイヒ〜と涼しい風が吹き込んでくるから不思議である。
ところでなぜ今、休暇かといえば、移住以来半年ごとに米国に赴いていたが、前回は日本に行ったため、永住権の保持の意味もこめて最低1年に一度は訪れるべきとのことでの渡米である。
スイスに関しては、夫が所用で知人に会わねばならず、ついでに立ち寄ることにしたのだが、せっかくだから観光をしていくことにした次第。
わたしとしては、イタリア、スペイン、あるいはチェコやハンガリーあたりを久しぶりに旅したいのだが、なかなか思い通りにはいかないものである。
などと贅沢なことを言っている暇があったら、とっとと荷造りをしろという話である。気分的に冬物に触れたくないが、フリースなど、詰め込まねばならない。
それにしても、冬物の服がない。旅に出るたび、同じ服を詰め込んでいる気がする。
それでは、蒸し暑いムンバイを脱出して、爽やかな国へ旅立って参ります。ごきげんよう。
4/3 Mumbai →
4/4 → Zurich
4/5 Zurich
4/6 Zurich → Geneva
4/7 Geneva → Lausanne/ Evian-les-Bains
4/8 Lausanne → Montreux (Lavaux/ Château de Chillon)
4/10 Montreux → Geneva
4/11 Geneva → New York
4/12-17 New York
4/18 → Mumbai