昨日の午後、ムンバイに到着した。着陸間際の上空から、下界を見下ろす。たなびく雲のありようの麗しく、凝縮の街ムンバイからほど近い場所とは思えぬ、幽玄の世界。
チェックインをすませ、軽いランチをとったあと、向かう先はコラバの歯科医。この滞在中にインプラント2本の完成を目標としているのだ。「歯運」のよくないわたしだが、ここで運気の流れを変えたいところだ。
治療を終えたあと、徒歩でThe Taj Mahal Palace へ。新館のロビーは工事中でなにやら圧迫感だが、それでもここに来ると、落ち着く。あのテロのことを忘れたわけでは決してない。
あんな悲惨な出来事があってなお、しかしこのホテルには、哀しみを乗り越えてゆく目に見えぬ力が漂っていて、人々を引きつけているような気がする。
お気に入りのJoy Shoesでサンダルを買い、ジュエリーショップをあれこれとのぞき、書店でしばらく過ごし、夫と合流。久しぶりに、おなじみのチャイニーズ、Ling's Pavilionへ。
なじみのババ・リンが、いつものように入り口にどっしりと座っている。
「バンガロールの南京酒家がなくなって、みんな残念がっていますよ」
と、本音を告げる。バンガロール嫌いだったババ・リン。本人はほっとしているようだ。
仰ぎ見る空が美しい。ルネ・マグリットが描くような空の色。ベルギー……。ポール・デルヴォー。好きな絵を思い出させる空。しばらくぶりに訪れると、街の様子が、異なる角度から視界に飛び込んでくる感じだ。
あれこれと、書き残しておきたいことあれど、仕事も積もり始めている。明日は終日、部屋で作業だ。
今、3年前に作ったインドに関する資料の「改訂版」を作っている。しかし、3年前と今とでは、あまりにも変化しすぎているインドで、「改訂」というよりは、「新規」のような状態だ。
この3年の間に、インドに対する知識を、それなりに深めた自分にも同時に気づく。とはいえ、果てしなく広く深い世界のインドで、何年経っても「インド通」などとは、言えないのだ。
こんな身近に在りながら、知れば知るほど、遠すぎる。
インド発、元気なキレイを目指す日々(←Click)
■結婚:出迎えるとき。見送るとき。