日曜の朝。雨に洗われた庭の緑が鮮やかで、暑かった空気にひんやりとした肌触りが伴う朝。青空も澄み、帰国後2日目にしてようやく、わたしの脳裏も霧が晴れたかのようだ。
金曜の早朝に到着以来、無闇に寝た。わたしたち夫婦の共通する特徴のひとつに、「時差ぼけ」で眠れなくなることがない、ということ。
普通、「変な時間に目が覚めて、変な時間に眠くなる」というのが時差ぼけなのだと思うが、わたしたちの場合、いつでも眠い。ひたすら眠れる。昼間寝ても、夜、また眠れる。
そんな2日間を過ごして、ようやく今朝6時、爽やかに目覚めた。昨日のブログを見て、我ながら驚く。まるで記憶を失っていた酔っぱらいように、この文章を書いた自分が遠い。
「寝てばかりではダメだ」という自責の念が、せめて文章を書こうではないかという気分にさせたのだろう。そういえば、本も一冊読んでいる。ニューヨークで買って来た本の中のひとつだ。
寝る。食べる。読む。書く。
旅から戻ってきた直後なのにも関わらず、ある種、贅沢な時間の使い方ができるのも、メイドが家事一切をやってくれるからである。ドライヴァーが食糧の買い出しをしてきてくれるからである。
料理くらい自分でせんことには、罰が当たるっちゅ〜ものである。
もう、遠い過去となりつつあるが、米国時代、長旅のあとの数日は辛かった。荷解きをして、掃除洗濯にお買い物。なにもかもを一人でやっていたものだ。
いまや、あの過去には戻れぬ。やはり、インドの暮らしというのは、いい点を見つめれば、非常にいいのである。
夫はといえば、まだ寝ている。昨日、彼はひとりで毎度おなじみアンサナ・スパでマッサージ&フェイシャルを受けてきた。わたしは家でゆっくりしたかったので行かなかったが、ずいぶんとすっきりしたようだ。
「もう、9時間寝てるよ。起きたら?」
と言えば、
「マッサージのあとは、眠いんだ……」
といいながら、ゴロゴロとしている。こうなったらもう、好きなだけ、寝ていただこう。わたしは「遊び」の旅行だったが、彼は「仕事」が主だったわけで、精神的な疲労感は、わたしの比ではないはずだから。
外食続きだった旅行を終えて、朝。いつもの食生活に戻る。ニンジンやリンゴ、赤ピーマンとレモンで新鮮ジュースを作り、飲み干す。おいしい。
バナナを食べる。おいしい。
ミルク粥。おいしい。
南インド産のコーヒー。おいしい。
そして、今年初めてのマンゴー。おいしい!
インドで手に入らないものはたくさんある。しかしインドだからこそ手に入るものもたくさんある。5年近くも暮らしていると、自分の舌がすっかりインドの「善きもの」に感化されていることがわかる。
このバナナのおいしさ。牛乳のおいしさ。
ちなみに牛乳は、ビニル袋入り、一両日中に沸騰させてすぐに飲まねばならないタイプの、インド古典的牛乳である。ロングライフの牛乳は、おいしくない。面倒でも、沸騰させる牛乳の方がはるかにおいしい。
しっかりと眠る。身体にいいものを食べる。適度な運動をする。わたしたちの心と身体を健全に保つために、欠かせない事柄。
以下、ニューヨーク旅の名残。
ユニオンスクエア付近、昔ながらの個性ある書店。オリジナルの布バッグがかわいかった。愛用しているモレスキンのノートがセールだったので、数冊買った。
地面の下にレンガが積み重なっているとは。
写真を撮らせてもらっていたら、おじさんが笑顔で、
「君も、一緒に働くかい?」
●ユニオンスクエア。「ハグ 無料」のサインを掲げる男女たちが数名。
目的、意図不明。
かわいい女の子を選んで、ハグしてもらう夫。
おいこら!
どちらが本物だと思いますか? あなたが本物だと思った方では、ありません。
「ニューヨーク市では、玩具のように見える銃、あるいは本物のように見える玩具の銃を販売することを禁止しています。もしも見かけたら、311に連絡してください。」
いろんな意味で、無理のある広告。
まぎれもなく、銃社会。
■インド発 元気なキレイを目指す日々:ニューヨーク編
(ニューヨーク滞在中の旅記録はこちら↑)