先日、ここでもご紹介した「イスラム教徒」と「ヒンドゥー教徒」が、現在「バブリ・マスジート」と跡地となっている土地所有を巡って対立していた件。2度の延期の末、昨日、裁判が行われた。
判決の如何によっては、暴動などが起こる可能性が高いことから、他都市同様バンガロールも、市街の随所にポリスが配備されていた。学校は休み。夫のオフィスもクローズ。わたしたちも外出を控え、終日自宅待機。
夕方に出された判決は、多分、意外なものであった。裁判というからには、「白黒つける」「勝敗を明らかにする」ということが当然だと予測されていたはずだ。
「土地をわければいいのに」
わたしだけでなく、そう思っていた人は、きっと少なくないはずだ。しかし裁判とはそういうものではないのだと夫からも説明を受けていたため、深く探ることはなかった。
そして判決。それは、いかにも多くの人が望んでいたに違いない、
「土地を3分割する」
という結果になったようだ。
そもそも、ヒンドゥー教の神のひとりであるラーマの生誕地とされてきた地に、イスラム教のモスク「バブリ・マスジート」が建立された。それも500年ほども前の話。
1992年、ヒンドゥー過激派によって「バブリ・マスジート」は破壊された。今回、その土地が、イスラム教徒のものになるのか、ヒンドゥー教徒のものになるのか、二つに一つであろうと予測されていたのが、3分割。
1つは、ラーマのための土地。1つはヒンドゥー教徒のための土地。そしてもう1つがイスラム教徒のための土地。つまり、実質3分の2がヒンドゥー教徒のものとなるため、ムスリムからの反発が予測されているようだ。
とはいえ、昨日は、暴動などが起こることもなく、少なくともバンガロールは平穏であった。詳細についてはよくわからないが、取り敢えず、簡単な現状報告を。関連する過去の記事は、こちら↓。
■ヒンドゥー教イスラム教。明日は判決。(延期)(←Click!)
詳しい事情を把握する前に、コメントを発するのは差し控えるべきなのだろうが、しかし、敢えて今の心境を記すならば、「判決なのに、曖昧さを残したもので、よかった」ということだ。
現実なのか、伝説なのか、最早わからない神の生誕にまつわる物語。そお生誕地を巡る話とあっては、その是非を人間が裁くことなど、本来は不可能であるはずなのだ。
さまざまな不透明さに、便宜上、白黒をつけるばかりが最良の道ではないはずだ。
複数の宗教が混在し、概ね平穏に調和しながら人々が生きているこの国にあって、このような答えが導き出されていることを、むしろ「善きこと」であると直感している。
あの怒濤救急車で搬送騒ぎからちょうど今日で1週間。すでに退院した翌日から体力は回復しており、現在は「普通」である。
いや、1カ月余り前に日本からインドへ来たときよりも、かなり元気になっている。アーユルヴェーダのトリートメントを2クール受けて、身体全体が浄化されていることがよくわかる。
アーユルヴェーダの効果を過剰にレポートするのも憚られるため、「キレイなブログ」に少々書き記すのみだが、間違いなく歩き方が速やかになったし、膝の患部のむくみがとれている。
加えて、例の騒動で「食べ過ぎ」を反省したとのことで、「人並みの食欲」に抑えていることから、体重も少し軽くなったようで、見た目もすっきりしてきた。
上の写真は、火曜日に訪れたOWCチャリティ・イヴェントの様子。
OWCが支援する慈善団体が一堂に介しているこのイヴェント、この写真のブースは、明日訪れる予定のBANGALORE EDUCATION TRUSTのナガラジ氏はじめ関係者だ。
義姉スジャータ夫妻に誘われて、BRAZIL BRAZILと呼ばれるエンターテインメント・ショーを見に、ミュージカルシアターを訪れた。
躍動感あふれる舞台。
特にセクシーな女性の、リオのカーニバルなファッションに、夫が大喜びであったことは、言うまでもない。
自分の「キューピー体型」については棚に上げ、
「僕の周辺の女性とは、違う種の生き物のようだ」
と、何度もうるさい。わたしと母の体型を、細かく描写しながらその違いを説明する夫。パンチを食らわしたいところであったが、まあ、セクシーなお姉さんを見てハッピーそうな夫である。寛大にも許すことにした。
そうそう。夫には、なかなかにいいニュースが流れてもきたのだ。それもあって、妻は少々寛大なのだ。祝いの品など何もなく、いきなり巨大クッキーを作って祝したのだった。
としたいところだったが、あまりにも長過ぎたためOMEDETO。
それはそれで、美味であったので、よしとした。
見栄えはどうであれ、手作りクッキーというのは、美味なものである。
さて、先日の救急車&緊急入院事件に際して、あれこれと、教訓がある。その教訓をまとめて記そうと思っていたのだが、これから外出だ。後日にまわしたい。
さて、乳飲み子&妊娠8カ月の妻を抱え、仕事が必要だからチャンスをください! と言っていたはずのドライヴァー、アンソニーA。アンソニーBが酒飲みだったことから、彼を正式採用として今後使おうと思って来た矢先。
今朝、半月分の給与を払った瞬間、
「カンパニードライヴァーの面接を受けている最中で、多分合格するから、やめます」
と言われた。
もう、脱力。もう、いや。もう、好きにして。
そんなこんなで、日本の友人から一時紹介を受けていたドライヴァーに急ぎあたり、日曜日に面接することとなった。
なんといいますか、ドライヴァー探しが定例の行事のようになりつつある昨今。もう、なにがなんだかわからない。いちいち一喜一憂することすら、ばからしく思えて来たので、考えまいと、努力している最中だ。
ストレスフリー、のハーブティーを飲んだりして。
彼らは少しも、悪いことだと思っていない。あまりにも、爽やかなほどに。
「僕のかわりのドライヴァー、必要なら紹介しますよ」
と、晴れ晴れというアンソニーA。
それはそれは、お気遣いありがとう、ってもんだ。
そんなわけで、インド生活まもなく丸5年。まだまだ修行中の身の上。精進すべきは尽きない日々。ぼちぼちと、がんばります。
インド発、元気なキレイを目指す日々(第二の坂田ブログ)(←Click)
■不意の休日。ピザのことなど。(9/30)
■ブラジルの熱い夜@バンガロール(9/29)
■母、復活。慈善団体を知る日。(9/28)
■ご近所訪問と、母入院騒ぎの一部始終。(9/27)