波の音を聞きながら眠りにつき、海峡越しに登る太陽を望む朝。なんとすばらしいロケーションであろう。昭和感満点で、決して快適とはいいきれないホテルではあるが、裏寂れた雰囲気と個人的な懐かしさが調和して、何とも言えず味わい深い1泊2日であった。
クオリティに比して、驚くほど高価な朝食なのだが、他に選択肢がない。シンプルにご飯と味噌汁と焼き魚くらいでいいのに、と思いつつも完食。
母校である梅光学院大学の新たな息吹を感じさせる冊子。未来への広がりを期待させる内容だ。
わたしが在学中に学長を務めていらした故佐藤泰正先生に関する記事。夏目漱石研究の大家でいらした。今でも講義をする学長の声をありありと思い出す。
ストレイシープ。ストレイシープ……。
The seminar for the students went very well! The environment of the university has changed greatly since I was a student. Most of the students had experience of study abroad. I was impressed by the drastic change!
◎無事に、母校である梅光学院大学での講演を終えた。わたしが在籍していた「梅光女学院大学」当時は、文学部の日本文学科、英米文学科、英米語学科、そして大学院という構成だった。男女共学となった現在は、大きく「文学部人文学科」と「子ども学部子ども未来学科」とに分かれており、人文学科では文学や国際ビジネス関連を、子ども学部では児童教育などを指導している。
◎30年前と現在の教育の内容が変化するのは、時代の流れを鑑みれば、当然のこと。今回、非常に感銘を受けたのが、昨夜、夕食をご一緒した樋口紀子学院長の方針だ。2012年に学長になられ、2017年からは学院長を兼任されている彼女はまた、梅光女学院大学の先輩でもある。
◎樋口学長自ら海外での経験が豊かで、米国での留学、東南アジアでのヴォランティア活動などに携われ、またキリスト教の牧師として、キリスト教信仰に基づく教育を推進されてもいる。学生数が定員を大幅に下回り、大学が存亡の危機に晒されていたときに、大いなる改革を実施されている。中でも特筆すべきは、留学制度の徹底だ。
◎これからの時代の若者は「外へ出て経験を積むべきだ」という理念のもと、短期・長期の留学制度やインターンシップ制度を整備。数年前からは在校生のほぼ全員が、留学経験を持つに至り、留学率が極めて高い大学として注目を集め始めているという。
◎わたしが在籍していたころは、日本文学科の学生には留学制度がなく、従っては私費でロサンゼルス郊外に1カ月のホームステイをした。1ドル250円以上の時代である。わずか1カ月とはいえ、海外留学はまだ、かなりハードルの高い選択であった。しかし既述の通り、あの20歳の夏があったからこそ、今の自分がある。
◎今日、わたしは「国際関係論」の授業において、100名ほどの学生の前で話をする機会を得た。これまでも、バンガロールでインターンの学生や若者向けに、また日本でも何度か学生向けに実施して来たセミナーと、大まかには同じような内容である。しかし、「母校の学生」ということで、大学時代の話しに厚みを持たせ、親近感を持ってもらいつつ、外への広がりを語った。
◎すでに聞いていたこととはいえ、そこにいた学生全員が、すでに海外留学経験があるということが、衝撃であり、驚きであり、うらやましくもあった。すでに海外経験のある人たちには、話しがより通じやすい。わずか70分程度で伝えたいことを伝えきるのは不可能だが、できるかぎりを、話した。
◎今回、わたしをゲストスピーカーとして招いてくださった高橋先生が、講演の直後、学生たちに感想を書かせ、それを数十名分、送ってくださった。それを読んだだけで、下関に来てよかったと実感した。詳細を書きたいところだが、長くなるので控えておく。ともあれ、わたしが伝えたいことが、ほぼ直球で伝わり、受け止めてもらえていることがわかって、わたし自身も非常にうれしく思った。
◎わたしが行っていることは、「地道な種蒔き」だということは、常日頃から自覚している。それでも、たとえ小人数でも、誰かの心の中で発芽し、花が開けば、甲斐があるというものである。
◎講演を終えてランチのあと、学院報の取材を受けた。インタヴューを受けながら、わたし自身、これから先、どのような方向へ進むべきなのかについて、改めて自問するひとときでもあった。
◎愛着はもちろんあったにせよ、極めて地味な存在だった我が母校が変革を遂げている様子を見るのは、非常にうれしいことだ。わたしにできることがあれば、これからも関わらせていただきたいと実感した。
◎来年の春には「画期的な建築」による、極めて斬新でクールな新校舎が完成する。来年の一時帰国時にはまた、ぜひ訪れようと思っている。
After I finished the lecture to the students in Shimonoseki, I came to Kurashiki by “Shinkansen" bullet train. It is the first time to come to the city for me. The night walk was really enjoyable.
そして、初めて訪れる街、倉敷へ。
夜の美観地区を散策する。得も言われぬ、風情!
明日は夕方まで、終日観光する予定。楽しみだ。