*時代を感じさせすぎるミュージック・ヴィデオ(笑)
明日の早朝、ニューヨークへと発つ。
1996年4月、初めてマンハッタンに降り立った日から、23年の歳月が流れた。
記憶の濃淡は、流れた歳月の長短に左右されるものではない。
JFK空港からタクシーで、マンハッタン島へ向かった。
走馬灯のように巡る橋のケーブル越しに、夕映えの摩天楼を目にしたときの、胸の高鳴り!
2002年にポプラ社から出版された拙著『街の灯』(まちのひ)。
率直にいえば、そのタイトルも、表紙も、ニューヨークを感じさせず、わたしの意図するところではなかった。
しかし、当時発行していたメールマガジンの原稿を整理して、編集部に郵送し、それが編集者の目に留まり出版に漕ぎ付けるという、稀有な幸運を手にしていたからには、贅沢はいえなかった。
今朝、エクササイズをしながら、久しぶりに "Let The River Run” を聞いて、目頭が熱くなった。
そして、『街の灯』の「あとがき」を、久しぶりに読み返した。
今となっては気恥ずかしい表現もあるが、しかし、一生懸命だったなと思う。
思うようにいかないことばかりの子ども時代。
ひたすら壁にぶつかるばかりで、概ね阿呆だった十代。
今、努力をせずして、過去を悔いるは卑怯。
今の自分にできることを……と、思いながらも。
無性に、空を飛びたくなる。
無性に、駆け出したくなる。
無性に、未来を夢見たくなる。
こんな旋律を聞くと。
空港のラウンジに来ると、なぜか必ず食べたくなるドサ。
「マサラは巻かずに別添えで。クリスピーに焼いてね」
などと、毎度おなじみの注文をしつつ。
ブリティッシュ・エアウェイズ。
ロンドンからのフライトが遅れたらしく、バンガロール発が2時間遅れ。
乗り継ぎ便が間に合わないので、アメリカン・エアラインでロンドンからニューヨークへ。
約10時間、乗り継ぎ約2時間、更に約8時間。
インド亜大陸からは、物理的につくづく遠い、アメリカ大陸。
精神的には近いのだけれど。
セントラルパークを走る夫から写真が届いた。
あと丸一日、待っててね。