西鉄名島駅からJR千早駅まで、「にゃん電」に乗って一駅。千早からはJR鹿児島本線上りで門司を目指す。門司でJR山陽本線に乗り換えて、関門トンネルをくぐって本州、下関へ。2時半ごろ、ホテルにチェックインしたあと、遅めのランチをとろうと外に出たら、「しものせき海響グルメフェス」が開催されていた。
30余年前はなかった真新しい感じの広場。下関で人気があるらしき飲食店のテントが並んでいる。海鮮丼を買おうとしたら、最後の一個がなくなった直後。すでに昼時を過ぎて完売が大半。選択肢は少なく「ふぐ刺し」を買う。
潮風に吹かれつつ、音楽を聴きつつ、ビールを飲みつつ、最後に食べたのがいつだったか思い出せない、少なくとも30年は口にしていないふぐ刺しを食べる。記憶の中のそれよりも、おいしい。思いがけずの、至福のひととき。
そのあとは、駅近くのシーモール&大丸へ。大学時代にはここでもバイトをしたものだ。シーモールの情報紙にコラムを書いていたこともある。大学祭実行委員長だったときには、下関市商工会の人たちと協調して、「馬関祭り」や「巨大ふぐ鍋祭り」に参加したりと、当時からイヴェントに関わっていた。遠い日の思い出が、まざまざと蘇ってくる。
当時とはすっかり様相の変わった駅前の広場にて、クラフトフェアが行われていた。自動的に「猫もの」へ目がいく昨今の我。そして気がついたら、買ってしまっている。ハンカチ。そして小さな猫柄のポーチ二つ。
奥の2つの大きめのポーチは、ミューズ・クリエイションのメンバーが作ってくれたもの。誰かへのギフトにするためにまとめ買いしていたのだが、結局、自分で使っている。それらと、なんとなくコンセプトが似ている。同じようなものをついつい、買ってしまう。
大丸は、天神(福岡市)のそれに比べて閑散としているのに加え、全体を見て回るのにコンパクトな規模だということもあり、欲しいものが自ずと目に飛び込んでくる。インド友へのお土産(すてきな和柄の風呂敷)や、自分の靴などを見つけて購入。地下食料品店では、ふぐ刺しだけでは満たされていなかったので、いなり寿司と巻き寿司のセットなどを買って、イートインコーナーで食す。なんだか、楽しい。
ホテルへ戻り、一息ついたあと、海沿いを歩いてディナーのイタリアンレストラン「トラットリア・アルベリ」へ。梅光学院の樋口学長と、今年も講義を依頼してくださった高橋氏との会食である。
このイタリアンレストランの料理は、実においしかった。下関の新鮮な魚介類や旬の野菜をふんだんに使っているという料理。前菜の盛り合わせ、パスタ2種(シーフードのトマトソース/トリュフがトッピングされたカルボナーラ)、鴨肉のグリル、デザートなどを3人でシェアする。ヴォリュームもほどよく、幸せだ。
明日の講演の話しなども合いの手に織り交ぜつつ、とても楽しいひとときだった。こんな風に、再び下関と関わりを持つようになることを不思議に思いつつ……。これもご縁である。
宿泊先のホテル(ドーミーインPREMIUM下関)には、最上階に天然温泉大浴場があり、露天風呂もある。関門海峡を挟んで対岸の九州をのぞみ、天を仰げば満月。さて、明日は約半年前に完成した梅光学院大学の新キャンパスを訪れるのが楽しみだ。そろそろ寝るとしよう。