料理を楽しむ食欲も、庭を歩く足取りも、10年前と、あまり変わらない。
歩んで来た道のりへの懐疑も、未来に対する不確かさも、10年前と、あまり変わらない。
多分、10年後も、あまり変わらない。
生きて呼吸を続ける限り、紆余曲折の現在進行形。迷いは続いて、完結しそうにない。
世界は刻一刻と変化して、情報が洪水のように流れ込む。
あれもやりたい。これもやりたい。あれをやらねば。これをやらねば。
自らへの過剰な期待は、たちまち焦燥となり、常なる乾きに脅かされる。
「身の丈を知る」「足るを知る」
久しく我が座右の銘。これは精神世界にも当てはまること。
優先順位。
日記を記したり、自分を見つめるノートを作ったり、ジャーナルに日々を記入したり、あれこれしていても、なお、混沌。
一年の終わり、アーユルヴェーダグラムで本を読もうと、毎年、読み切れないほどの書籍を持参している。
そのこと自体が、間違いだったと気がつく10年目の今日。
緩めに来ているようで、緩みきれていなかった。
書きそびれていた書いておきたいことが、脳裏に渦巻いて取り留めなくあるときに、新たな情報を取り込んで、撹拌して、どうするつもりだったのか。
今日、読んでも読んでも読み終えられない、読みながら検証が必要な、読みかけの本を、閉じた。
そして、1冊だけ、実践的な本を選び、それは読破して、実行しようと決めた。そう決められただけでも、この年末は、小さな前進。
今年はもう、ひたすらに、緩く過ごす。
来年のことは、来年考えよう。