一冊だけ選んだ本を読みながら、自分を反芻する。ノートに文字を書き連ねる。そんなことを繰り返していると、良くも悪くも「神妙」になる。
夕べ、書籍の内容に従って、「自分の80歳の誕生日を具体的に想像する」という、小さな実験をした。
緑いっぱいの庭で、親しい人たちとともに過ごしている様子をイメージした。そこは、黄色い花でいっぱいだった。
そうしたら、今朝のトリートメントのとき、セラピストが渡してくれた花が黄色だった。庭を歩いていても、次々に黄色い花が目に留まった。
Anyway.
夜、ホワイトフィールドに住む友人から電話。年明けの日曜日にホームパーティをするから、ぜひ夫婦で来て欲しいとのこと。
いきなり、日常に引き戻されて、脳みそがうまく回らず、英語も速やかに出てこない。
「親戚と会うかもしれないから、アルヴィンドと相談して、また連絡するね」と言うのにも、なにかしら、舌が回らず。
そのとき背後で、庭のアヒルがグァグァとにぎやかに鳴き出した。酔っぱらっていい気分だという饒舌な彼女と、牧歌的な環境の中、デトックスで惚けている我。
「今朝ね。生まれて6、7時間くらいの子牛が歩くのを見たのよ……!」
と言いながら、同じホワイトフィールド、車で20分ほどの場所に住んでいる人との会話とは思えない状況のギャップに、笑えて来た。
脈絡なく、二人して笑いながら、なんだか久しぶりに、大きな声で笑った気がする。
「年明けは我が家に来て、飲んで踊って、俗世への洗礼を受けてね」
と彼女。万障繰り合わせて、参上しようと思う。
アーユルヴェーダは病気になりにくい心身作りを目指す「予防の医学」。宇宙の万物は、空気、風、火、水、地の五大元素から構成されいるが、アーユルヴェーダによると、これは人間の身体にも応用される。元素の2つずつが組み合わされ、大きく3つに分類されたものを「ドーシャ」と呼び、人間の体質をドーシャに従って分類する。
ヴァータ(空気、風)、ピッタ(火・水)、カファ(水・地)の3つのドーシャが正しいバランスを保っているときが、健康な状態とされる。ちなみにわたしは「ピッタ・ヴァータ」、夫は「ピッタ・カファ」だ。日頃の生活行動、性格、雰囲気などからも推察できる。
診療所では、ドクターからの問診、触診、脈診を受けたあと、下記の項目に沿ったアドバイスが施される。
●ライフスタイル(食生活など)の改善
●エクササイズの習慣
●生薬やオイル・マッサージによる療法
アーユルヴェーダは、心身のあらゆる不調を、改善へと導いてくれる。西洋医学を否定するものではなく、西洋医学では補えない部分をサポートする点もあることから、欧米のドクターから勧められた患者が、メディカルツーリズムの一環としてインドを訪れ、数週間から数カ月に亘って治療を受ける例も少なくない。アーユルヴェーダグラムの来訪者も約70%が外国人だ。
腰痛や肩こりなど軽症な疾患の改善をはじめ、交通事故や発作などによる麻痺のリハビリテーション、抗がん剤で弱った身体の蘇生、薬剤の浄化、減量プログラム、精神疾患の緩和など、あらゆる心身の不具合に対して、何らかの療法を提供してくれる。