ロックダウン49日目。軟禁生活51日目。この50日間、1日しか外に出ていない。1週間前からメイドが来てくれるようになったが、むしろ、ストレスになっている。
自分で家事をするよりも楽だし、時間にも余裕ができるはずなのに、他人が家にいると落ち着かないという、インド移住以前の自分に戻ってしまった。好きな時に動画の撮影もできないし、昼寝もできない。これもまた、「贅沢な悩み」の類いか。
さて、昨夜のモディ首相の会見。備忘録として簡単に記しておく。
・たったひとつのウイルスが、世界を混沌に陥れている。この数カ月間、我々は未曾有の敵と戦っている。
・この混沌の世界で、インドは健闘している。インドの自立(Self reliant/ Self reliance) は、21世紀世界の平和や協調に貢献する。
・COVID-19以前、PPE (Personal Protective Equipment/ 個人用防護用品)キットにせよ、N95マスクにせよ、インドではひとつも作れなかったが、今では1日に20万セットも作れるに至った。
・インドが供給する医薬品は、世界中の生死をさまよう人たちに希望を与えている。 インドには最高の製品を作るだけの才能と資源があり、品質やサプライチェーンを向上させる潜在能力がある。
・インドの「自給自足作戦」は、以下5つの柱に基づいて実施される。
1. 経済
2. インフラストラクチャー
3. テクノロジー主導のシステム
4. (若者が多い)人口動態
5. 需要
・自給自足を具現化するため、GDPの10%、総額20兆ルピー(20 lakh crore)の経済対策を実施。製造業、農業、雇用などの押し上げをめざす。
・この経済対策は、インド製の商品が世界に広がる契機になるだろう。
・Vocal about Local。地元の経済を支えるべく声をあげ、地元のものを購入しよう。
・COVID-19は、これからも我々の生活の一部となり続けるだろうが、それに翻弄されてはならない。
・経済政策については、13日、シタラマン財務相が発表する。労働者、農民、誠実な(!)納税者、中小企業、家内制工業などが対象。
・ロックダウン第4フェーズについては、その内容は封鎖対象地域などを含め、完全に再構築される。詳細は18日以前に公表する。
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モディ首相就任後、2014年に発足されたMAKE IN INDIAキャンペーン。それは英国統治時代のインドが独立する以前、マハトマ・ガンディが唱えた「スワデシ・スワラジ運動」に源を同じくする。スワデシは「国産品愛用」を、スワラジは「自主独立」意味する。
今回のCOVID-19により、その傾向が加速されるということか。折しも世界が中国市場を敬遠しつつある昨今、世界におけるインドの役割は、今後一層、大きくなるだろう。
今、この国がどう動くか。史上最も重要な時機にある気がしてならない。モディ首相が発した「インドは岐路に立っている」言葉の奥底に、途轍もない大きな渦の存在を感じる。
……少し気分が沈む夜。ハートの形のチョコレートを選んでみた。柔らかな味を期待していたら、ピリリと唐辛子のフレイヴァー。意表をついて、厳しいな、インド。