ロックダウン63日目。軟禁生活65日目。インドのロックダウン第4フェーズは、今週中には終わる。しかしCOVID-19は、まだ地球のそこここを自由に飛び回っていて、人間はそれを避けるように、生き続ける。
各国の対応。COVID-19検査の方法や基準、感染者数の実態、死者数の既往歴……。そもそも公表される数字の信憑性がわからない。なにもかもが異なる中で、数字の曖昧さを思い知る。
幾度か記したが、そもそも「感染症パラダイス」のインドにおいては、他の感染症の増減についても気になるところ。たとえばマラリアやデング熱は死に至ることもある。
我が家に関しては、夫は子供時代にマラリアを2回、そして夫婦揃ってデング熱を1回ずつ、罹患している。それを考えると、COVID-19以外の感染症にも配慮すべきで、もうどこまで、この異様な暮らし(マスク/手洗い/ソーシャル・ディスタンス)を続けていけばいいのかも、よくわからない。
よくわからないが、欧米ではとてつもない死者が出ているのも事実で、それは比較的死者の確率が低いアジア諸国との感覚の違いに「気持ちの置き所」が定まらない。
数の曖昧さ、でいうならば、最近はインドも感染者が増えている。そのことをして、かなり騒ぎ立てている日本の記事なども目にするが、その人たちはなぜ、人口の多さと確率を記さないのかが不思議でならない。
たとえば、5月27日現在の実態。
インドの場合。これは政府が推奨するCOVID-19関連のアプリ「Aarogya Setu」で随時アップロードされているのだが、最新データは「累計感染者数151767人/死者4337人」となっている。インドは昨今、検査数を増やしているので、感染者数はどんどん増えるだろう。
一方の日本。「累計感染者数16651人/死者858人」となっている。
インドは日本の「10倍以上の人口」という現実を鑑みれば、一瞥しただけで、人口に比して、日本の方が感染者も死者も多いことがわかる。
ここカルナータカ州だけで人口6000万人。つまり日本の人口の半分のこの州は現在「累計感染者数2283人/死者44人」で、この州だけでみれば、日本よりも圧倒的に、感染者は少ない。
もちろん、ロックダウンしているし、かなり厳しい対策が図られているからで、今後ロックダウンの緩和でどうなるのか、先は見えない。
ゆえに、何をどう気をつけて、どこまで行動制限をして生きるべきなのか、よくわからない。
よくわからないまま、季節は流れて、バンガロールの猛暑の季節は過ぎていく。このごろは雨も多く、過ごしやすい日が増えてきた。朝晩が涼しいので、夜、熟睡できるようになってうれしい。
昨日は庭の芝刈りをしたり、水をまいて虹を作ったり、しかしその数時間後には暴風雨となったり、なにやらドラマティックな1日だった。
このごろは、主には「庭飼い」の4猫らだが、夕方、大雨が降ったので、NORAとROCKYは書斎に、JACKはわたしが仕事をしているダイニングルームに入れた。ちなみにCANDYは、常にサンルームを占拠している。
普段は、猫らが屋内の食卓やテーブルに登ることを禁じているのだが、昨日、ふと目を離したすきに、JACKがテーブルに横たわって寝ている姿を見て、和む。起こすのがかわいそうで、そのままだ。
風がふきすさび、大雨が降りしきる中、こうして屋根ある場所で、よく冷えた白ワインを飲みながら、静かに過ごせるひとときがあることを、ありがたく思う夜。