ロックダウン45日目。軟禁生活47日目。5月7日はタゴールの生誕日であったということを記した。その日はまた、インドにおいてはブッダ・プルニマ (Buddha Purunima) と呼ばれる、仏教徒の祝祭日だった。
4月〜5月の満月の日、仏陀が誕生し、悟りを開き、涅槃に入ったことから、毎年この時期の満月の日、ブッダ・プルニマが定められる。
7日のバンガロールは、夕方から雨に見舞われていたが、深夜近くなり雲が浅くなり、その切れ目から満月を仰ぐことができた。月の光で、遍く地上の邪悪や汚れを、浄化してはもらえないだろうかと願うように眺める。
2年前、2018年のブッダ・プルニマは、ナーグプルで、佐々井秀嶺上人とともに行動をさせていただいた。かけがえのない、大切な思い出。
ふと思い立ち、「ゼンタングルアルバム」を開く。3年前、ミューズ・クリエイションの企画で、ゼンタングルの先生であるMariさんに来ていただき、レッスンを受けた。一度のトライアルですっかり魅了され、しばらく描き続けた。
9センチ四方の限られた世界の中に、無数の線を重ねていく。ゼンタングルのコンセプトからはずいぶん離れて、好き勝手に描いていたが、それがまた楽しかった。物言わず、心を鎮めたいときにも、大いに、救われた。
悲しい猫の絵は、ドライヴァーのアンソニーの長男が、インドのクリスチャンの聖地であるヴェランカニで水死するという衝撃的な出来事に見舞われた直後だった。
いろいろと、思い出される。
あいにく、その年の秋ごろから、急速に老眼が進んだ。わたしが老眼になったのは30代後半と早い時期で、40代前半で遠近両用メガネを使っていたのだが、その時期、焦点を合わせて集中すると疲労感が高まり、すっかり遠のいていた。
目の具合と相談して、またときどき、ペンを握りたいと思う。