半月あまりのホームステイを経て、日本からの女子大生二人は、無事に帰国の途に就いた。あと数時間後には、成田に到着するだろう。
2001年7月、わたしたち夫婦はニューデリーで結婚式を挙げた。その後、当面は、わたしが暮らすニューヨークと、夫が暮らすワシントンD.C.を往来する「遠距離結婚生活」を続けるつもりでいた。
しかし、結婚からわずか2カ月後の9月11日。米国同時多発テロが起こり、二人の生活拠点の安全が脅かされた。考え抜いた結果、わたしは人生の優先順位を見直し、ワシントンD.C.で、夫と暮らすことを決めた。
社員は自分一人とはいえ、それなりの仕事をしてきたMuse Publishing, Inc.は、断腸の思いで、大幅に業務を縮小。
クライアント仕事の傍ら出版していた季刊のフリーペーパー『muse new york』は、自己実現の賜物だった。その最終号の特集のテーマに選んだのが「異国の地で子供を育てるということ」だった。
米国に渡った直後から、海外生活の経験がある子供たち、すなわち帰国子女が、日本の未来にとって大切な存在になるであろうと感じていた。しかし、当事者やその家族にとっては、波乱の多いライフであろうことは、当時からも数多のインタヴューや友人知人らの体験談を通して、認識していた。
今回、彼女たちの滞在を受け入れた背景には、27年に及ぶわたし自身の海外生活での思いや、自分自身が大学時代に経験した米国での1カ月のホームステイが、自分の人生を大きく変えたという事実がある。
わずか半月。されど半月。彼女たちと過ごした時間を通して、わたし自身も学ばされることは少なくなかった。就職前の里帰りバンガロール旅が、未来、彼女たちの心に、前向きに作用することを願いつつ。
🌏突然の来訪にも関わらず、彼女たちを歓迎してくれたカナディアン・インターナショナルスクールの先生方。
慈善団体OBLFのイヴェントや、女性の勉強会のパーティで、二人を歓迎してくれたインドの我が友人知人たち。
日本人補習校のある校舎や授業の様子を案内してくださり、子供たちとの対話の時間を設けてくださった保護者の方々。
ホスピスの訪問時やその後のランチで、仕事のアドヴァイスなども指南してくださった参加者各位。
バンガロールの働く女子会ランチで、海外就労の体験談をシェアしてくださった方々。
そして彼女たちを歓待してくれた我が夫……。
プライスレスな時間の共有をありがとうございました。
🌏バンガロール・ガイドブック(「異国の地で子供を育てるということ」の記事も読めます)
https://lit.link/en/bangalore
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