今日は、8月15日。日本に生まれ、インドを終の住処とするわたしにとって、この日は国家間の争いと、その虚しさに思いを馳せる日だ。
1947年の8月15日、インド(ヒンドゥー教主体の国家)とパキスタン(イスラム教主体の国家)は、分離して独立した。インド人の多くはこのことをして、「パーティション」と呼ぶ。独立は同時に、分断を意味した。現在のパキスタン、ラホールが故郷であるわたしの夫の母方家族は、パーティションによって多くを失い、インドへ「難民」として移住した。
だから手放しで、この日を「おめでたい日」とは言い難い。マハトマ・ガンディは「ひとつのインドの独立」が実現し得なかった悲しみに打ちひしがれた。
この印パ分離独立の日から遡ること2年。1945年の8月15日、日本は敗戦した。この「2つの8月15日」が同じであることは、偶然ではない。意図されたつながりがある。
日本軍に強い恨みを持っていたイギリス領インド帝国最後の総督マウントバッテン卿。彼にとって日本が降伏した8月15日は「めでたい日」であり、そこに自身が関わったインド独立という「ハレの日」を、重ねたという背景がある。その詳細を含め、第二次世界大戦を巡る日本とインドの歴史について、以下のブログにまとめている。
なお、添付の英文資料は、今年より「日本人以外」の人たちに、日本とインドの関係史をプレゼンテーションするために作った膨大な資料のうちの、一部だ。まだまだ今後も厚みを増す予定。
以下、①~③を読むだけでも、歴史の概要がつかめるかと思う。
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🇮🇳🇯🇵8月15日。インドの独立記念日と日本の終戦記念日が同じ日なのは偶然ではない。インド・パキスタン分離独立を巡る歴史と、わがインド家族の物語など。
https://museindia.typepad.jp/library/2021/08/815.html
CONTENTS
①「8月15日」が日印の歴史にとって共通して重要な日となった背景/2017年
②モディ政権発足直前、情報誌『シバンス』に寄稿した記事/2014年4月
③印パ分離独立を巡る、ドラマティックな祖父の人生 /2020年2月
④日本を訪れていた祖父。「名言」に影響を受けていた我が夫/2020年2月
⑤義兄は日本軍の攻撃で戦死。自らの死もドラマのようだった祖父/2020年2月
⑥映画『英国総督 最後の家』で知る印パ分離独立の背景/2017年12月
⑦歴史を知れば今が見える。セミナー実施の記録/2014年4月
⑧極東国際軍事裁判を描いたNHKドラマ『東京裁判』を見て/2016年12月
⑨広島に原爆を落とした戦闘機「エノラ・ゲイ」を、この目で見たときのこと。
⑩パラレルワールドが共在するインドを紐解く/セミナー動画
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