昨日は、長い1日だった。シャワーを浴び、夕飯を食べ、少し活字に目を通したものの睡魔に襲われ、午後10時過ぎにはベッドに倒れこんだ。今朝は、なかなかの筋肉痛に襲われている。
わたしがなぜ、ナーグプルにいるのか。その背景を説明するのは難しい。関心のある方には、以下のブログに記した記録を読んでほしい……ですませたいところだが、関心のない方にも知っていただきたく、要点をまとめてみる。
ここで掲載している写真。昨日、ホテルから見た朝日、佐々井上人がお住いのインドラ寺、佐々井上人が管理されている病院とその周辺。
【インド仏教🌳】
・仏陀により、紀元前450年ごろ(約2500年前)のインドで説かれた教え
・開祖である仏陀は、ゴーダマ・シッダールタ、釈迦、釈尊とも呼ばれる
・自然崇拝や民族宗教などの「原始宗教」をルーツに持たない
・仏教は発生後、紀元前5世紀前後から着実に成長
・紀元前3世紀、アショカ王が仏教に帰依。マウリヤ朝で国家宗教に。インドの国章である「獅子像」は当時のもの。数世紀に亘って繁栄し、中央アジア、中国を経て広まったが、ヒンドゥー教の席巻とイスラム教による迫害を受けるなどして、徐々に衰退
・仏教寺院、仏教遺跡、仏陀の彫像などがヒンドゥー教の聖像に変換され、仏教徒の礼拝が禁じられた(インド各地に仏教遺跡の名残がある)
・1891年、インドに来訪したスリランカの仏教指導者アナガーリカ・ダルマパーラは、ブッダガヤ大菩提寺がヒンドゥー教徒の管理下にあることを知り衝撃を受ける。
・1950年代、アンベードカルが、インド仏教の復興を目指し、自ら仏教徒に
・1992年、佐々井秀嶺により、ブッダガヤの大菩提寺返還運動開始
【アンベードカル👓】ビームラオ・アンベードカル Bhimrao Ramji Ambedkar
インド仏教徒が挨拶の際に口にする「Jai Bhim!」とは、彼の名が由来。Jaiとは「万歳」にも似た、対象を讃える言葉。
・1891年4月14日~1956年12月6日
・インドの政治家(ネルー内閣法務大臣)、思想家
・インド憲法(1950年1月26日施行)の草案者
・反カースト(不可触民/ダリット改革)運動の指導者
・インド仏教の復興を目指し、自ら仏教徒となり大改宗式を行う
・コンカン地方、ダリットのマハール族出自。14人兄弟の末っ子として誕生
・学問重視の父親。勉学に長け、不可触民として初めて大学入試に合格
・ボンベイ大学エルフィンストーン・カレッジで政治学と経済学
・NYコロンビア大学で経済学、社会学、歴史学、政治学、人類学、哲学を研究
・ロンドンの大学で更に学業研鑽。ドイツのボン大学に3カ月留学し経済学
・ボンベイで上級法廷弁護士として開業。大学教授として若者指導
・多彩な政治活動を開始。理不尽で残酷な不可触民制度との戦い
・貯水池、井戸利用の主張。反バラモン運動。ヒンドゥー寺院開放運動
◉インド国憲法の草案を作成(ネルー内閣法務大臣)
・信教の自由、被差別カースト制廃止、農業投資重視、税制改革、貨幣制度整備
・労使問題の近代化、女性の地位向上(避妊や家族計画)
◉仏教への改宗
・不可触民がヒンドゥー教にとどまる限り、地位の向上はないと判断、仏教を学ぶ。結果、1956年、30万人(50万人ともいわれる)のダリットとともに、「ナーグプル」にて仏教に改宗。インド仏教復興の基盤を構築
【ナーグプル🍊】
・マハラーシュトラ州の都市。英国統治時代、インドの中心とされ、市内中心地にインドの中心点を示すゼロマイル・ストーンがある。みかんの名産地
・ナーグプルとは、「ナーガの都市(プル)」を意味する。ナーガとは、インド神話に起源を持つ、蛇の精霊あるいは蛇神を指す
・インド全体における仏教徒の比率は、約0.7%だが、ナーグプルは、ヒンドゥー教に次ぐ15.57%
【佐々井秀嶺✊】
◉インド仏教の復興、布教活動。啓蒙と教育
◉アンベードカルの遺志を継ぎ、元ダリット(不可触民)の仏教改宗
◉仏教寺院、福祉施設の建設および運営
◉仏教遺跡の発掘(マンセル遺跡、シルプル遺跡)
◉インド政府少数派委員会(マイノリティ・コミッション)仏教代表
◉ブッダガヤの「大菩提寺」管理権返還運動
◉2009年以降、ほぼ毎年、日本へ帰国。全国を行脚など
・1935年(昭和10年)生まれ。紆余曲折を経て高尾山薬王院で仏門に入ったのち、タイへ留学
・1967年(32歳)、インドのラージギル日本山妙法寺へ。翌年、日本帰国の前夜、ラージキルの多宝山上にて、龍樹菩薩より「汝、速やかに南天竜宮城へ行け」との霊告を受ける。南天竜宮とは、「ナーグプル」のことであろうとして、翌日、日本へ帰国するかわりに、訳も分からぬまま、南天竺を目指す
詳細は以下のブログ、及び動画にて言及している。
✊インド国憲法草案者アンベードカルとインド仏教。そして日本人僧侶、佐々井秀嶺上人を巡る記録
https://museindia.typepad.jp/library/2021/12/unity.html
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