2018年の訪問時と同様、昨日も、お弟子の竜亀さんのお世話になった。はじめてお会いしたとき、彼はナーグプル在住歴2年だった。その後、折に触れてご連絡を取り合っていた。今回、久しぶりにお会いして、僭越ながら、ずいぶん風格が調われたとの印象をお受けした。
8年もの歳月、佐々井上人のおそばで過ごされている。ただ普通に日常を送るだけでも、日本に比すれば難易度の高いインド。厳しい衣食住環境の中、社会構造の下部でせめぎ合う人々を救うべく、身を賭しておられる佐々井上人とともに生きることのタフさ。
特にCOVID-19のころには、多くの人々がバタバタと倒れ、落命した。あの混沌の中で、日々を紡ぐだけでも精一杯であったとお察しする。同時に、こうして再会できたことをうれしく思う。
今回の旅の目的は、佐々井秀嶺上人にお会いすること、そして竜樹連峰に登ること、マンセル遺跡を再訪することであった。もちろん、竜亀さんにお会いしたく、彼が一時帰国される前ということで、この3泊4日を選んだのだった。
朝、7時30分すぎ、佐々井秀嶺上人のもとを訪れ、ご挨拶をすませたあと、竜亀さんが、このところマンセル遺跡のたもと、文殊師利菩薩大寺の工事現場に日参されているとのことだったので、同行させていただくことにした。ナーグプルから北へ車を走らせること約1時間。途中、前回の記録に写真を掲載した病院に立ち寄った後、文殊師利菩薩大寺へ赴く。
敷地内には、アンベードカル像や佐々井秀嶺の伝記『破天』の著者、山際素男氏の像、東日本大震災の慰霊碑も建つ。そこに現在、仏舎利塔(ストゥーパ)が新たに建立されている。私事だが、建設会社だった我が父も、福岡県久山の仏舎利塔建立に関わった。わたしの父方の祖母と日蓮宗、藤井日達上人、ムンバイ日本山妙法寺との数奇なご縁についても、ブログに記録を残している。
わたし自身の私的な背景も絡んだ、摩訶不思議とも思える、時空を超えた物語を、端的に綴ることは難しく。読み手の理解と好奇心なしには伝わらないことを承知で、繰り返し書き残す。
以下、前回同様、セミナー動画で使ったプレゼンテーションの資料から、ポイントを抜粋する。関心を持たれた方は、どうぞブログをご覧ください。
◉南天龍宮城へ行け。佐々井秀嶺上人、龍樹のお告げを受ける
・ラージキルの王舎城で日本帰国の準備を整えた1967年8月、満月の夜
・就寝時、突然目の前に現れた龍樹(ナーガルジュナ)からお告げを受ける
・我は龍樹なり。汝速やかに南天竜宮へ行け。汝の法城は我が法城。我が法城は汝が法城なり。南天鉄塔もまたそこに在り
・師匠曰く「ナーグ(蛇、竜)」「プル(城、平野)」即ちナーグプルへ
◉龍樹(ナーガルジュナ)とは?
・2世紀に生まれたインド仏教の僧侶。ナーガルジュナはサンスクリット語
・日本では大乗仏教八宗(すべての大乗仏教の宗旨、宗派)の祖師とされる
・大乗仏教の基盤となる「般若経」における「空」の理論を大成。特に真言密教において重要な人物
・若き日の龍樹は才能に恵まれる一方、快楽に走る。愛欲から逃れるべく出家
◉大日如来とは?
・大日如来は、『大日経』や『金剛頂経』などに説かれる仏。「摩訶毘盧遮那(マカビルシャナ)仏」「毘盧遮那(ビルシャナ)仏」、あるいは「遍照如来」ともいわれる
・真言宗では、大宇宙の数え切れない仏の中の最高の仏とされ、大宇宙そのものとか、森羅万象が収まっているともいわれる
◉南天鉄塔とは、大日如来の教えが収められた場所
・大日如来(真言密教の教主)の教えは非常に難しく、理解できない
・紀元前500年ごろ、金剛薩埵が南天鉄塔に収めた。龍樹が現れると予言
・予言通り、龍樹登場。南天鉄塔を開いて、教えを経典にまとめあげた
・龍智→金剛智三蔵→不空三蔵(中国)→恵果和尚(中国)→空海(日本)
※詳細は以下のブログ、及び動画にて言及している。
✊インド国憲法草案者アンベードカルとインド仏教。そして日本人僧侶、佐々井秀嶺上人を巡る記録
https://museindia.typepad.jp/library/2021/12/unity.html
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