金曜日のACT MUZ。若者2名がSTUDIO MUSE (新居)に集って活動。お茶休憩のとき、インターンの入江さんが「美穂さん、『不適切にもほどがある』見ました!」という。そう。2週間ほど前、彼女に見るよう勧めていたのだ。
宮藤官九郎脚本、阿部サダヲ主演。1986年と2024年とのタイムスリップを軸に繰り広げられる物語で、昭和がリアルに描写されているこのドラマ。インドでもNETFLIXで見ることができる。もっとも、現在視聴可能なのは5話まで。日本では折しも金曜日が最終回だったようだが、インドで残り5話が公開されるのは来月中旬らしく、待ち遠しい。
入江さん曰く、このドラマを見て、わたしが話していた昭和のことがリアルにわかったと、なかなかに楽しめた様子。「30年後に今の世界に戻ってきたら、どう感じるのだろう」的な話になって、しばし盛り上がる。
1986年といえば、わたしは21歳。すでに大学生だが、ドラマに出てくる中学生のセーラー服や学ラン、ヘアスタイルの雰囲気としては、わたしが高校時代の1984年くらいと合致する気がする。……と思い、アルバムを発掘。愛おしき、わが「野蛮」な日々。
わたしは中学のころ、諸事情あって荒れており、親にも教師にも反抗しまくり、成績も落ち、今で言うところの「詰んだ」日々を送っていた。高校2年ごろだったか、そんな中学時代を記憶から抹消したく、中学の卒業アルバムも写真も全て捨ててしまった。大人になってからは、あの中学時代の大挫折があったからこそ、今の自分があると実感しているが、汚点といえば汚点だ。ゆえに、諸々吹っ切れて楽しかった高校時代の写真が、愛おしい。
高校時代の忘れえぬ恩師。現代国語の和田先生と、体育教師の篠崎先生。篠崎先生は、男子の体育教師であり、ハンドボール部の顧問だったから、直接関わり合う機会は少なかったものの、3年の副担任だったということもあり、しばしば教室に乱入してきた。常に「竹刀」を常備し、無駄に生徒を叩く。わたしはもう、理不尽に叩かれた記憶しかないのだが、諸々忘れえぬエピソードあり「恩師枠」なのである。
卒業間際のある日のこと。「高校の国語教師になって、香椎高校に戻ってくるけん」というわたしに、教師にならんでも、別の道があるかもしれん、固執するなと、先生はおっしゃった。あのときは、なんでそんなこと言うとかいな、なんで励ましてくれんとかいな、と思った。しかし、のちに省みるに、あれは「愛のある言葉だった」と思う。先生の予想通り、大学では教職課程は離脱。上京して就職、その後、ニューヨーク、ワシントンD.C.、カリフォルニアを経て、今、インド。高校時代には考えられなかったルートを辿って、現在に至る。
冬の体育教官室の情景が蘇る。ストーブの前に座り、カッターナイフで鉛筆を削る篠崎先生(やったら芯を長く削る独特のスタイル)。そこに居合わせたわたしと、ハンド部の**さんに対し、「お前たちは、成績はまあまあやけど、賢いんや。自信持て」と、素気なく、しかし確実に、励ましてくれた。学校の成績こそがすべて……と思いがちだったがゆえに、その言葉は胸を刺した。
先生は、ご健在だろうか。今年の10月は、高校の全同窓会の日程に合わせて帰国して、お会いしたい……と同窓会のFacebookを遡ったところ。なんと。昨年88歳の米寿を迎えられ、今年1月、数カ月前に、他界されていた……。遅かった。
【写真のキャプション】
①高校2年の修学旅行。列車で長野までスキー旅行。
②『不適切にもほどがある』。昭和の阿部サダヲの部屋着姿に震えた。わたしのお気に入りだったアディダスのトレーナーと色違い! にしても、この「新体操」の写真はなんなんだ自分。手作り感あふれるアルバム。
③男子のヘアスタイルが最高すぎ。当時のトレンドを検証する上で参考になりそうなほど。顔を隠すのがもったいない(!)のでそのまま載せる。もう、誰が誰か、わからんめい。気にせんめい。
④バスケ部の部室前でかわいこぶっている(つもり)の我。修学旅行中の部屋で、青のジャージは体操服。体育祭のチアリーダー。ヒラヒラなミニスカのより法被&短パンにしようや、ということで各自手作り。1984年3月の卒業式直後、私服で集った友人ら。
⑤浴衣姿は体育祭の盆踊り。かわいこぶっている(つもり)。この浴衣、先日も着た😅
⑥高校2年、3年と、ヘヴィメタやらハードロックやらのバンドでシンセサイザーば担当しとった。これはグリーン・ヴィレッジというライヴハウスにて。
⑦体育祭の打ち上げ。教室でジュースとかお菓子とかを飲み食いした後、なんか、歌いよる。『3年目の浮気』?😂
⑧バブル経済突入時の当時、成人式の振袖は100万円程度……というのが定番だった。わたしは振袖はいらないから1カ月、ロサンゼルスのホームステイプログラムに参加させてほしいと親に頼んで支援してもらった。ゆえに成人式は、母の毛皮のコートを借りて出席。てか、中洲のママか! 新成人とは思えぬ圧。個性的が過ぎる。むしろ目立つ。
⑨2009年、香椎高校創設88周年の記念公演に招かれて半生を語った。すでにリタイアされていた篠崎先生も来てくださった。先生のネクタイとわたしのサリー、なにげにコーディネート状態。当時の記録をさきほど読んで、また懐かしい。
⑩2016年の香椎高校全卒業生対象の同窓会にて。このときにお会いしたのが、最後になった。
🙏篠崎先生! 人生の2周目にむけて、まだまだ、これからも、がんばるけん! ありがとうございました!!
[Fukuoka] 懐かしき再会。母校「香椎高校」での講演会(2009/05/25)
https://museindia.typepad.jp/2009/2009/05/fukuoka-e175.html
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