一月往ぬる。二月逃げる。三月去る。毎年恒例の、この時節の感傷。しかし今年は、例年になく、満たされている。半年ほど前から、「心の在り方」を努めて見つめ直したり、聖地を歩いたり、短時間でも瞑想を心がけたりしているせいかもしれない。
去りゆく情景を留め置く。
わたしの初節句に両親が買ってくれた雛人形。英国統治時代、100年ほど前に作られた家具がよく似合う。生まれ故郷の熊本→福岡→下関→東京→ニューヨーク→ワシントンD.C.を経て、バンガロールに辿り着いた。先日、若者らが集ったときのこと。彼らがこの雛人形や、わたしの古いアルバムやノートを目にするたびに、「よく持ってきましたね!」と感嘆する様子を見て、改めて実感する。自分にとっては「ついこの間のこと」のような出来事が、はるか彼方。じわじわと色褪せ、朽ちてゆく。
藤井風の新曲『満ちていく』が衝撃的。『帰ろう』に並ぶインパクト。わたしが今、この年齢になって実感することや、ラマナ・マハリシをはじめとする宗教を超えた聖者のことばが、短い歌詞に託されているかの如く。さらにはOfficial Videoのマンハッタン! なじみの光景が映像から溢れ出て胸に迫る。インドに移住しても毎年、訪れていたニューヨーク。しかしCOVID-19パンデミックで途絶。2019年以来、5年も帰っていない。苦労して手に入れた永住権(グリーンカード)の更新も諦めた。これもまた、人生の節目。
「変わりゆくものは仕方がないねと、手を放す、軽くなる、満ちていく」
友人の誕生日に招かれた午後。ムスリムの彼女は今、ラマダン(断食)につき、太陽が大地を照らす間は、飲食物を口にしない。しかしゲストには、多くの美味なる軽食でもてなしてくれた。暑い時期の、インドの飲み物のひとつ、シャルバット(Sharbat)。アラビア語。シャーベットの語源だという。これはミルクにサフランやバジルシードが入ったもの。おいしい。バジルシードには食物繊維のグルコマンナンが含まれているという。ヘルシー。
その翌日訪れたVEGAN MARKETにて。赤いボトルは天然のバラの花びらで作られた定番のシャルバット濃縮液。オレンジのボトルは、サフランとカルダモン入り。どちらも風味よく自然の味わい。購入した。
タンダイ (Thandai) もまた、ホーリーに欠かせない夏の飲み物。ミルクの中に、アーモンドやフェンネル、カルダモン、サフランなどのスパイスがブレンドされている。昨今のインドでは、昔ながらの飲み物を現代風にアレンジして飲むのが定番化している。新聞記事にもアレンジが紹介されるなど。新居完成以来2年間、やめていた新聞を、再び定期購読し始めた。やはり紙がいい。
異業種交流会……的な集いに招かれ、若き優秀なアントレプレナーたちと語り合い、刺激を受けた夜。昨今のバンガロールは、信じられないほど多くのおしゃれなレストランがオープンしていて、知らない店がたくさんだ。そして才媛らが異口同音に、韓国ドラマのよさを熱弁。「NETFLIXでたくさん公開されてるものね」と言えば、「Rakuten Vikiが最高よ!」とのこと。な、なんですか? この夜、初めて知りました😅 「BTSのロンドン公演に行った」とか「普段は韓国コスメを愛用している」とか「韓国でゆかりの地を巡った……」とか。ビジネスの話よりも熱がこもる。『冬のソナタ』ブームを思い出す。ここ数年の韓国ドラマブームと、それに伴う消費傾向。綴りたいこと尽きず。
ミューズ・クリエイションの学生メンバーにいただいた日本土産。子供のころから好物のおかき系。わたしがブログか動画で言及していたことから、敢えて選んでくれたとのこと。うれしい。おいしい。とまらない。あぶない。半年前の名古屋、NORITAKEで購入したマグカップ。お気に入り。
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