6月6日朝。荷造り、朝食をすませ、コーヒーを飲んでいる。昼のフライトで東京へ飛ぶ。家を出るまでの時間を使って、記録を残したい。
今回の福岡滞在は、本当に、学び考えさせられることの多い2週間弱だった。
日本の社会の仕組みの一端について。介護保険の仕組みの善し悪し、その有効活用の困難さについて。人間が生まれ死にゆく過程について。自らの命運の鍵を握ることが難しくなった、晩年を生きる人々の尊厳について。
そして、近い将来、自分もまた確実に、衰えていくことを予感しながら、親を支える人々の在り方について……。
ひとつひとつを丁寧に記録しておきたいが、今は諸々未消化。また折に触れて文字にすることになるだろう。
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今回、85歳の母が、「要介護1」と認定されたことにより、介護サーヴィスを受けられることになった。これは家族にとって、ありがたく安心できるシステムだ。しかし、これを実際に利用するに際しての手続きが、実はかなり煩雑で、わかりにくいということが、いざ利用する段になって初めてわかった。
結論からいえば、わたしたちは、非常に運良く、物事を進めることができた。最早、亡父の計らいだったとしか思えないほどに、この10日間でほとんどの枠組みが整った。
それもこれも、介護の鍵を握るとされるケアマネージャー(ケアマネさん)との出会いが決め手だった。
帰省する前、妹と共に、実家界隈のいくつかのケアセンターを訪問し、ケアマネージャーと面談をするなどして、「自分たちで探す」ことを覚悟していた。役所からは「リスト」はもらえるものの、おすすめの場所を絞り込んで教えてもらえるわけではない。
今回、訪問先にアポイントメントを入れようと、妹がたまたま問い合わせた施設の方から「この方は、本当におすすめですよ」と、ケアマネージャーKさんを推薦されたことから、ひとまずKさんにお会いすることにした。
Kさんを実家にお招きし、母、妹と4人で顔合わせをし、諸々のすり合わせをする。この方にお願いすれば安心だ……と確信した。その場で当方の要望や条件などもお伝えし、Kさんが勧めるケアセンターを利用することにした。
わたしも現場を見ておきたかったので、母と一日体験をしてきた。このときのことはまた別途、記したい。
結論からいえば、週に1回のデイケアセンターへの訪問と、週に2回(各1時間)のヘルパーさんのサーヴィスが決定し、Kさんと、ケアセンターの代表者、そしてヘルパー斡旋業者の方との「担当者会議」にて諸々の契約を取り交わし、「印鑑」を押し、利用料の銀行引き落とし手続きの準備もすませて、スタートラインに立つことができた。
今日は早速、ヘルパーさんが来てくださる。これまでは週に一度、「ダスキン」にお掃除をお願いしてきたが、これを機に終了。ヘルパーさんは掃除だけでなく、買い物の代行などもしてくださるし、何より話し相手にもなってもらえるのが助かる。
母にとってはもちろんのこと、わたしや妹にとっても、新しいことばかりで、諸々、戸惑いは否めないが、今はひとまず、新たなステップを踏み出せることに感謝する。思うところ深く浅く、重く軽く、気持ちを整えるのに努力が必要だが、多かれ少なかれ、誰もが通る道。心して、臨むべし。
今回、母の介護サーヴィスのあれこれを手配するに際し、「他の人たちは、いったいどうやっているのだろう」と、幾度となく、思いを馳せた。一人っ子の人や、両親、あるいは両親と義両親を見なければならない人や、時間に余裕のない人や、家族の協力を得られない人は……いったいどうやって、この状況を乗り越えるのだろう。
人間の、生まれて育って生きて死ぬことの、なんとややこしいことだろう。
つくづく、しみじみ、考えさせられる。
今回、母とは天神へお買い物……の機会もなく、結局は近場でランチをすますこと2回。母も妹も、このところ路線変更(軌道修正?)をしているロイヤルホストに好意的。先日も記した通り、わたしも気に入っており、昨日は、都合3度目のランチだった。デザートも分け合い楽しむ。これがまた、おいしくてうれしい。てか、よく食べる家族。
ロイヤルホストのオニオングラタンスープが好きだった父を偲びつつ……。
帰路、名島神社に立ち寄り、併設の名島弁財天/宗栄寺にて、我が心の弁財天様に手を合わせる。
ありがとうございます。よろしくお願いします。
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最後の3枚は、西鉄名島駅前にオープンしたばかりの、パティスリー「PRESQUE EGAL(プレスク・エガル)」。店内には、見目麗しきフランス菓子が並ぶ。ホテル日航福岡でシェフパティシエを務めていた渡辺氏が、今年、自らの店をここに開業されたとのこと。渡辺氏は香椎出身で、実家は香椎の商店街で練り物店(亡父がお気に入りの店だった!)をされていたという。彼はまた、我が母校と同じく香椎第二中学校卒業だとのことで、親近感を覚える。
ここのお菓子、わたしは、まだ1種類しか食べていないのだが、とてもおいしかった。「上質のお菓子」を所望する母にとっても、この駅前のお店の誕生は朗報。楽しみが増えてよかった。
店名のPRESQUE EGAL。どういう意味だろうと調べたら、フランス語で「ほぼ同等、ほぼ同じ」という意味だった。次回はこの店名の由来について、尋ねてみようと思う。
✈︎さあて! 東京での1週間。無理せずぼちぼち、楽しもう! 行ってきます!
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