「映えない」話題につき、公言を控えようかと思ったが、どうしても吐露したく、Facebookでのみ、記録を残しておく。InstagramとかXに書いたら、たちまち攻撃を食らいそうなので。
先日、一時帰国をした際、立ち寄ったとある場所で、「おいしいお茶がありますから」とひとパックの玉露をいただいた。日本茶は大好きなのでうれしい。「熱湯玉露」とある。通常、玉露は少し冷ましたお湯で煎れるが、これは熱湯で入れるらしい。
今から30年前、京都を取材した際、とある茶舗を訪れた。そのときにも、「熱湯で煎れる玉露は、味覚のシンフォニー」的なことを言われた気がする。そのときのことを思い出し、そういう玉露もあるのだなと、思った。
先日、それを飲んでみた。
風味、味わいは、まあ、ふつう。ほんのりとした玉露的甘みもある。しかし……なにか違和感。徐々に違和感が増す。どこの玉露なんだろうとパッケージをひっくり返し、原材料名を見て目が点になった。
「茶(国産)、固形茶(食品アミノ酸)、炭酸水素アンモニウム」とある。
ちょっと待て。お茶って、原材料は茶葉だけじゃないの? 食品アミノ酸とは、「調味料(アミノ酸等)」という表記で正体を隠され気味なMSG(うま味調味料/味の素)のこと?
まさかお茶に旨味を加えるために、味の素を入れているということ? 驚きすぎて、茶をしばいている場合ではない。
早速ネットでチェック。なんと。玉露に味の素を入れるとおいしくなるという説が散見されるではないか。
てか、炭酸水素アンモニウムて何? え? 発色をよくする……?
あまりややこしいことを言いたくないが、わたしは過去十年以上、インドにいる際には、ほとんど食品添加物を取らない生活をしている。十数年前にはMSGアレルギーが本格化したことから、極力、避けている。日本での一時帰国時「調味料(アミノ酸等)」を完全に避けることは不可能だが、それでも、極力、避けている。
喉の渇き、目の渇き、疲労感、頭のほてり、倦怠感、睡魔に襲われる……と、昔は「酔っ払ったとき」に似た症状だったので、まあ、なんとか誤魔化していた。しかし十年ほど前に、大好きなとんこつラーメンや、ちゃんぽんのスープで酷い目にあった。閃輝暗点や嘔吐を発症してからは、取り過ぎに気をつけている。
我々夫婦は、普段からなるたけ「天然自然」に近い素朴なものを食べているからこそ、そこそこの健康が保たれていると思っている。そして舌もそこそこ敏感だ。添加物の入った菓子などをおいしいとは感じない。おはぎとか饅頭とか新鮮なケーキなど「本日中にお召し上がりください」的な生菓子は好きだが、日持ちのよすぎる菓子など、口にした途端、ケミカル風味がする。
それをして、「ケミケミする」という造語を作ったのはわたしだ。知る人は10人くらいしかいないと思うが。
味の素は身体に悪くない、サトウキビが原材料だから云々説もたくさん出回っているから、ややこしいことは言いたくないが、少なくともわたしは、敢えて取りたくないのだ。
そもそも、安い茶葉をおいしくするために味の素ひとふりされたものを飲むくらいなら、白湯を飲む方が百倍いい。
ちなみにこのお茶も京都産だった。ということは、わたしが30年前に取材した店も、調味料入りだったのか? 味の素が溶けやすくなるように熱湯だったのか? ああ、もう本当にびっくりだ。
基本的に、「パッケージの裏を見る」習慣がついていたわたしだが、つくづく、今後は100%例外なく! を遂行しようと思った。
はっきり書いておこう。こういう「高品質を装った紛(まが)い物」が廉価で普及するから、心身によい良質の、本来の高品質が、駆逐されてしまうのだ。あらゆる世界において。
もう、世界はこういうことがデフォルトなんだろうけれど。なんだか、非常に、やりきれない。
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