朝のソウル駅から高速鉄道のKTXに乗って約2時間半。釜山に到着した。ランチをすませたあと、海をのぞむ海東龍宮寺へ。晸庵(チョンアム)という僧侶が、この海辺で龍に乗り空を飛ぶ観世音菩薩の夢を見たことから、命名されたという。辰年に訪れるに縁起がよさそうな場所でもある。
境内に向かう途中、十二支の石像が並ぶ。十二支は、十二方位の土地を守り、厄除けをして幸運をもたらす守護神のような存在だとのこと。一柱門をくぐり、108の階段をのぼった先に、海東龍宮寺が現れた。
快晴であればまた、異なった爽快な景観だったに違いない。あいにくの曇天だったが、しかし雨に降られなかったのは幸いだ。
水平線の向こうに福岡。
有史以来、いったい何隻の、何艘の船が、この海を渡っただろう。途方もない交易が、この海を往来してきた。
中学時代に訪れた、今は埋め立てられている香椎の浜にあった豪邸の廃墟を思い出す。家具などが残されたまま、打ち捨てられた家。クラスメイトと探検をしに出かけた。その家の間取りや、独特の空間は、多分、日本人のものではなかった。すべての広い窓が海に面して、玄界灘に望んでいた。
遠い日のことが、つい最近のことのように、次々に、鮮明に、思い返される。
海東龍宮寺では、ひとつだけ、強く願えば、それを叶えてくれるという。ゆえに、ひとつだけ、強く願った。
そして、お米を、寄付させていただいた。
合掌をし、祈ることができることさえも、ありがたく。
その後、甘川文化村(カムチョンムナマウル)へ。
サン=テグジュペリの『星の王子様』がテーマになった観光地。かなりカジュアルな場所ではあるが、子どもや若者らには楽しいエリアだろう。陶磁器のギャラリーで、海の色をしたマグカップを買った。後日、写真を載せたい。
夕食後、最終の便でソウルへ戻る。ホテルに到着したときには、すでに深夜1時を回っていた。長い1日だった。みな、元気だ。
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