20年前にバンガロールへ移住してからの数年間は、日本からのクライアントをお連れするお店の選択肢は、まだまだ少なかった。なにしろ短期間の視察旅行。それでなくても、世間では「インドに行ったらお腹を壊す」と言われがち。体調を崩されては困るから、高級ホテルのレストランを中心に、いくつかの名店を選んで巡回していた。
ちなみにわたしは、これまでバンガロール、デリー、ムンバイ……と、数多くの日本人に同行してきたが、お腹を壊された方は一人もいない。そもそも「インドではお腹を壊す」と思い込んでくるから、壊すのである。
うっかり生水や、衛生不確かな屋台飯や、空きっ腹にビールや、油脂がこってりバターチキンや、むやみに辛い料理などを避けていれば、壊さない。タイトすぎないスケジュールで、睡眠しっかり体調万全でインドに挑んでいただければノープロブレム。
飲食業界の栄枯盛衰は著しく、この20年間の間にも、イタリアンを端緒にコンチネンタル、パン・エイジアン(日本料理含む)、ブリュワリーにカフェ、ベーカリーと、さまざまな店舗が誕生。日本からのゲストをお招きしたい店の選択肢は急増した。その著しい成長と反比例するように、我々は年齢を重ね、外食の頻度は減り、ゆえに「未知なる素敵な店」が数多ある。
日曜日、親しい友人夫婦が主催するサンデーブランチに招かれた。会場は、バンガロール中心部にあるBastian Garden City。夫は来たことがあるというが、わたしは初めて訪れた。
高い天井。オープンエアの開放的な空間。庭に出れば、柔らかに日差しを通すナチュラルなスクリーン。随所に配された豊かな花々。そして仰ぎ見るほどの木々……。英国統治時代に建てられた、かつてバンガロールの随所にあった「バンガロー(平屋一戸建ての邸宅)」の跡地に誕生したというこの店は、樹木を伐採することなく、そのままに残して設計されたのであろう。
新しい店ながらも、傾き始める初夏(@バンガロール)日差しがノスタルジックに郷愁を誘い、なんとも居心地がいい。
この日もまた、親しい友人や、数年ぶりに再会する友人らと挨拶を交わす。女性のファッションもさることながら、男性たちのシャツの華やかさも目に楽しい。ちなみに我が夫が着ているのは、昨年インドネシアで購入したバティックのシャツ。毎度、わたしの好みである😉
京友禅サリーのモデルになってくれた友人のTanyaは、この日も赤いトップが鮮やかで美しい。彼女の履いているすてきなパンツの柄に「日本」を感じたので尋ねたところ、日本旅で購入したのだとか。日本とインドのテキスタイルは、本当に、通い合う。
この日、ミューズ・クリエイションのバザールに出店してもらい、メンバーと共に工場訪問をした手漉き紙ブランド「Bluecat Paper」創業者のKavyaと久しぶりに会えたのはうれしかった。
「紙と環境問題」に関しては、かつて彼女からたくさんのことを学んだ。「紙製品はプラスチックに等しく有害である」という事実を教わったときには、強い衝撃を受けた。現在、Bluecat Paperは、工場を拡大し、順調にエコロジカルな紙づくりを続けている様子。また訪問させていただきたいと思う。
パンデミック時代には、ミューズ・クリエイションのチャンネルにて、動画を作成、アップロードしている。ぜひご覧ください。
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