気がつけば2015年も半ば。年初に、あれやこれやと盛大に「今年の目標」を掲げてみたところで、そのうちの大半を成せないことが多いと、今更のように気づいた数年前から、「身の丈」に合った目標を、最小限に、立てるようになった。
それですら、なかなかに達成できずにいるのだが、私的なことはともかく、対外的な「ミューズ・クリエイションのNGO化」が実現したことで、少し気分的にも達成感は得られている。しかし、それに伴う内外の事務的な手続き、ウェブサイトの刷新その他、やってしまいたいことが次々と沸き上がっている。
私的なことでいえば、現在暮らしている家の、メンテナンスをしたいところ。日本に比べると、圧倒的に諸々のダメージを受けやすく、こまめなメンテナンスを要するインドの家屋。今年は大掛かりなクリーニングや部分的な改築を考えていたが、改築を手がける根性はない。クリーニングだけでもやってしまいたいところだ。
来年には、郊外に建築中の新居の内装工事に伴い、そちらの打ち合わせなどにも時間をとられることになるだろう。諸々が重ならないように、余白を意識的に保ちながら、物事を進めていかねばと思っている。
本業は控えめに、メイドやドライヴァーなどの使用人もいて、わたし一人が何もかもを抱えているわけでもないのに、なぜか時間が瞬く間に過ぎてゆくインド生活。
今年は個人的に、かつてなく体調が不安定であることも手伝って、「使えない日」が増えた。それに加えて猫らのことで、更に時間をとられている。しかし、猫らのお陰で、心和まされている部分も多々あり、これはもう、あとへは引けないといったところだ。
今週末は、久しぶりに土日とも予定を入れていなかったところ、夫婦揃ってダウン。夫は金曜から発熱、一時は「デング?」かと思ったが、先週からリンパ節の腫れ物ができていて、それが治ったあとのことだったこともあり、何らかの「後遺症」のようである。
わたしはといえば、「いけない」とわかっていながら、かつてない暑さに冷たいアイスクリームやビールをやや多めに摂取したせいか、胃の調子を悪くしていた。日頃、「室温の水」を摂取し、冷たすぎる飲食物を避けていたせいか、衝撃が大きかったようだ。更には、偏頭痛も加わって、昨日は使い物にならず。二人して、
「もういや!」
と言いながら、よたよたと過ごした土曜日だった。幸い、ドライヴァーのアンソニーがお買い物をしてくれるので、必要な物に困る事もなく、そういう点においては、助かる。ちなみに今日は、わたしは復活。夫はじわじわと……というところだ。
……などという薄暗い話題はこの辺にして、先週の元気な様子でも。
市内コマーシャルストリートに、手工芸品の素材などを販売するITSY BITSYという店の支店がオープンし、セールをしているとのことだったで、ミューズ・クリエイションのメンバーに買い物ツアーをしようと声をかけた。
輸入品が多いものの、ビーズや紙類、それなりに手頃な素材も少なくなく、作品作りに役立ちそうな物が少なくない。
コマーシャルストリートのはずれにある、ローカルの毛糸屋さんへも足を運ぶ。この暑い最中に毛糸とはいかに。それもこれも、先日わたしが気に入ってしまったところの「アクリルたわし」を作るための素材購入である。
前週の「3人で3周年記念」の状況から一転して、急な誘いだったにも関わらず、なぜか13名もの参加者が集まったこの日。買い物ツアーのあとに、ローカル食堂でドサを食べましょう……という誘い文句に引かれて来たメンバーも少なくなかった模様。
「興味はあったけど、ひとりでは、こういうところ、来ないから……」
という方々もあり、購入方法その他、伝授。ローカルフード探検隊が、懐かしい。
買い物ツアーが終わったあとの、ランチのみ参加のメンバーもあり。
この店では、いつも注文するこのペーパードサ。他のみなさんも、心引かれたようで、幅広いドサがテーブルにひしめきあうのだった。
なにかしら、たいへんな盛り上がりであった。こんなことなら、今後また、ローカルフードツアーを実施するのもいいかもしれない。
そのときどきのメンバーで、当然ながら嗜好も異なる。たまにこうして声をかけて、かつてのローカルフード探検隊で巡った店などを再訪してみるのも楽しいかもしれない。
ちなみにこの店、以前も何度か紹介したが、コマーシャルストリートの「1本北」にある通りのWOODY'Sだ。コマーシャルストリートにも系列店があるが、そちらよりも清潔感があって、快適である。
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ところで、金曜日は、サロン・ド・ミューズの前にメンバーからの希望者を募っての「インドのテキスタイルとサリー講座」を久々に実施。
ミューズ・クリエイション結成以前より実施していたこのセミナー。多い時には20名近くを対象に一気にやっていたが、このごろはもう、着付けその他のアドヴァイスに体力が持たず。今回は6名の参加者だったこともあり、みな、じっくりとあれこれ試着を楽しめた模様。
これくらいの人数が、2人組になってサポートし合いつつ写真を撮り合いつつ、着付けができるのでよいかもしれないと、今更ながら実感。
実はこれらの写真。わざとややこしい加工をしているのではない。実は、撮影していた写真をコンピュータに取り込んだ際に、ソフトウエアがフリーズし、最新のデータが損失してしまった。
一時はあきらめたものの、ここに掲載するのとは別に、みなさんの写真をたくさん撮っていたこともあり、なんとか復元を試みた。
いろいろ調べてソフトウエアをダウンロードして復元直前までいったのだが、それから先は、ソフトウエアを購入してどうのこうの、という流れとなり、それがうまくいくかどうかわからなかったこともあり、途中で断念。小さなサムネイルを画面上で撮影するにとどめたのだった。
「わたしが撮っておくよ!」と言ったにも関わらず、この始末。みなさん、ごめんなさい。
小さすぎ。につき、誰が誰だかわからない状況ではあるが、サリーを着て、「すてき」な様子は伝わるかと……。
食関係の記録も載せて欲しいとの声を聞くのだが、なにしろヘルシーとはいえ大ざっぱな我が家の食卓に付き、絵的に厳しいこともあり。
おいしそうかどうかはさておき、何枚かカメラに収められていたものを、載せておく。
これは、日本米以外、すべてオンラインショッピングで購入できた素材での夕飯。Freshtohome.comで買ったキングフィッシュはムニエルに。BigBasket.comで購入したオーガニックのビーツは丸ごと茹でで皮をむき、適当に切って軽く塩とオリーヴオイルで味付け。皮つきの豆は、面倒でも新鮮さが魅力。おいしいピースご飯ができあがる。
翌日のランチは残った豆ご飯でオムライス。トマトをブレンダーでジュースにしたものと、塩胡椒、バルサミコ酢、茅乃舎の「野菜だし」で味付けをすると、ケチャップを使わずともナチュラルなトマトライスとなって、ヘルシーなおいしさなのだ。
卵は2個分をただ、丸く焼いて、上に載せる。残りのビーツも添える。上にケチャップで♥ などを描いたりせずとも、ヴィジュアル的インパクトには欠けるが、これで十分においしい。
コーヒとチョコレート。1日のうち、午後、夜、いずれかには、必ず、の組み合わせ。コーヒー、飲み過ぎもよくないだろうけれど、一日に3杯は、飲んでしまう。
自分の体調不良とは別に、今年ほど、バンガロールが暮らしにくくなった、と感じることは、これまでなかった。
都市化が進み、利便性が高まった部分は多々あり。たとえば上記のように、オーガニックの食品などがオンラインで入手できる……といった日常的な点においても、よくなった部分の多さは否定できない。
その一方で、樹木の伐採、建築ラッシュによる気温の上昇、溢れかえるゴミ、大気汚染……。それらのとどまることを知らぬ加速。我々人間が暮らすために行われている環境破壊のすさまじさといったらない。
たとえば、デング熱に罹患したことで改めて実感したが、こんなにも四六時中、蚊に悩まされることなど、かつてはなかった。寝室にファンを入れたまま寝るようになったのは、ここ3、4年のことである。
最初の数年は、ファンがなくても涼しかった。蚊も、夕方になって出て来る程度で、蚊取り線香なども、今ほど必要ではなかった。もちろん、蚊は多かったが、ここまでではなかったのだ。この程度ではすまない、社会問題は、この先も次々に発生することだろう。
無論、バンガロールに限ったことではない。インドに限ったことではない。
世界の各地で、環境問題の悪化が懸念されていることではあるが……。
我が母国、日本のことも、憂うべきの多さに、このごろはニュースを追うことさえも嘆息まじりであり。
それでも目下は、住んでいるこの国の、この街のことを優先的に考えるべしと気持ちをいれかえねばと思う一方、先進国、新興国の違いなどを超えた、人間の住む地球の、人間の手によって悪しき状況へと堕ちてゆく自然環境への懸念は、常に脳裏から消えることはない。