1996年7月にニューヨークでインド人であるところの夫と出会い、
2001年7月に、結婚式を挙げるために初めてインドの土を踏み、
2005年11月に、米国からインドへと移住した。
インド人、そしてインドとの付き合いは久しく、インド生活そのものも、10年目に入っているというのに、この国の多様性と深さに翻弄され、折に触れて、新しい発見に、衝撃を受ける。
書き留めておきたいこと、伝えたいことは尽きず、しかし、筆は追いつかず、そもそも誰が読んでくれているだろうという疑問もあり、自分の時間の使い方についても、考えなければと思っている昨今。
ミューズ・クリエイションというヴォランティア活動も大切だが、自分のキャリアを反映させた本業を怠っていると、気づかぬうちにストレスがたまってしまう。調べ、学び、話し、書き、伝えることは、これからも切磋琢磨しながら続けなければならないと、切に思う。
このごろは、セミナーの実施も頻度を上げており、学生インターンなどを対象とした外部からの依頼だけでなく、こちらから企画する分も積極的に進めようと考えている。
ミューズ・リンクスのセミナーのテーマは複数あるのだが、これまで週末、主に駐在員など働く人たちを対象に行っていた「インド・ライフスタイル入門編」を平日に実施することはなかった。
平日、駐在員夫人向けのセミナーは、時間的にも2時間以内で終了する「インドのテキスタイルとサリー講座」や、「インドの食生活と健康管理」などを中心に実施していた。
先日、ミューズ・クリエイションのメンバーの依頼で、週末に実施しているところの「インド・ライフスタイル入門編」を平日の午前中に実施したところ、強い手応えを実感した。もっとも、ランチタイムに食い込むほどに、3時間30分以上話して、用意した資料の7割程度しか終わらなかったが、それでも、かなり飛ばして話した。
後半の資料は、別のセミナーでも話をしている衣食住をテーマにした内容であることから、前半に力をいれて話をするとの旨、了承してもらっていたのだが、それはそれで、広く浅く、ときに深く話ができたのはよかった。
願わくば、丸1日。入門編を実質4時間。食と健康を2時間。じっくりと話ができれば、熱心に聞いてくれる人たちなら、インド生活に対する見方が大きく変わるものと思う。
うれしかったのは、セミナーを受けた人たちの中に、自宅に戻り、ご主人に資料を見せつつ、内容を簡単に語ったという方が数名いたこと。その資料を見て、自分も受講されたいというご主人もいらっしゃるようで、これはぜひとも、やはり続けなければと思う次第だ。
セミナーで話す内容は、本を数冊読んだところでは決して知り得ない、生きた情報だ。この10年間の、公私に亘るインドでの多彩な経験が随所に反映されている。
そもそもわたしは編集者であるから、なるたけ内容が主観的にならないよう、構成をしているつもりでもある。
インドに関わる上で知っておくべき日本の歴史、インドの歴史についても触れる。
ちなみにセミナーは、拙宅で行うだけでなく、「出張」もしている。というわけで、関心のある方はぜひ拙ホームページからミューズ・リンクスの項目を確認していただければと思う。
今日の午後はまた、学生に語る。学生のうちから異郷の地に身を置き、自分を試す彼らはまた、可能性に満ちあふれた存在だ。彼らには大人に話すのとは異なる視点から、精神的な側面についても、伝えたいことが尽きない。
日本で培われた価値観に囚われることなく、偏見に縛られることなく、頭でっかちにならず、異郷の空気を肌身に感じ、異文化に対する敬意を忘れず、現在過去未来を自由に行き来する意識を養い、世界を眺める素養を身につけて欲しいと切に願う。