朝食を終え、一人静かな部屋で、コンピュータに向かっていた。
テーブルのガラスの「カタッ」という音に、はっとして顔を上げたら、
猿が、猿が、
テーブルの上のチョコレートが載った皿を両手で抱きかかえていた!
ホテルの庭に住んでいるらしき猿が、
開け放ちたバルコニーのドアから侵入して来たのだ。
彼は(彼女は)、わたしがいないものと思っていたらしく、
わたしの存在を認めるや驚いた様子で手をはなし、部屋の外には出たけれど、
しばらくは未練がましげに、こちらを見ていた。
ああもう、びっくりした。
●毎朝、鳩は、敢えて不安定な場所で、よたよたしながら毛づくろいをしているし。
●近所のホテルじゃ、猫の額みたいな水辺で、アヒルがうれしそうに餌を与えられているし。生きとし生けるものみな、滑稽味を漂わせ……