午後、タクシーをレンタルして、町を走ることにした。インドでは、車を借りる際、たいてい半日(4時間)か一日(8時間)で料金が設定されている。
ちなみに高級ホテル専属のタクシーサービスを利用すると、4時間で1500ルピーほどもかかる。しかし市井のタクシー会社なら800ルピー前後。わたしは町を走るアンバサダーのタクシードライヴァーと交渉し、650ルピー、15ドル程度で今日は巡ることができた。幸運にもアンバサダーの乗り心地はよく、ドライヴァーの運転もうまい。
今日は、GK-I、それからサウスエクステンションという2つのショッピングエリアに出かける予定でいた。米国から送っている荷物がまだ届きそうになく、しかし持参している服が相当に少なかったこともあり、何着か服を買おうと思ったのだ。
「盛装」にはサリーがあるが、我がユニフォームと化しているJ-CrewのTシャツ以外にも、気の利いた普段着が欲しいと思い、コットンのファブリックが充実したfabindiaに行くことにした。
fabindiaとは、先日、バンガロア(バンガロール)郊外にあるコラマンガラでベッドリネンやタオルを買ったあの店である。GK-IのNブロックにあるfabindiaは本店で、衣類、ベッドリネン、ラグ、テーブルリネンと、分野ごとに店舗が分かれている。バンガロアの店に比べると、遥かに品揃えが豊富だ。
もう、毎度まいど毎度まいど書いているけれど、インドのテキスタイル、ファブリックは、本当にすごい。もう、「すごい」としか言いようがない。テーブルマットを見ていても、タオルを、ベッドカバーを、テーブルクロスを見ていても、何もかもが豊かでもう、ああもう、説明するのももどかしい。
fabindiaはコットンの製品が主流だが、衣類はシルク製も扱っている。今日はシルク製のブラウスを2枚、コットンに手刺繍が施されたブラウスを1枚、それからコットンのサルワールカミーズ(ワンピースとパンツのセット)、ゴールドのプリントが施された黒いロングスカートとおそろいのストール、それからウールのストールを購入した。それらすべてで100ドル程度。
その他、玄関マット、ベッドサイドのマットなど、いずれもバンガロアにはなかったデザインのものを、かさばるにもかかわらず、買ってしまった。達成感。
このテーブルマットセット(マットとナプキン6人用)は、それぞれ500ルピー前後。12ドル程度である。ちなみにこれら商品は、米国のSur la Tableなどのおしゃれなキッチン用品店で、数倍の値段で売られている。お土産などにも好適と思われる商品だ。
一方、こちらはサウスエクステンションに十日ほど前にオープンしたばかりというインテリアブティック。こちらはシルク製のリネン類、シルヴァー製の小物など、さまざまな高級雑貨が美しく展示されていた。こちらは眺めるだけで立ち去った。
夜は、カンファレンスを終えた夫と合流し、今夜はマルハン実家へ赴く。我が家の使用人となるモハンの料理はやっぱりおいしい! デザートもまた。モハンは日曜にデリーを発ち、列車でバンガロールに向かう。
2泊3日かけて南下し、ちょうどわたしたちが到着する火曜日の昼頃、彼も鉄道駅に到着することになっている。ちなみに列車の運賃は500ルピー。10ドル程度。……。
ああ。ここはインドだ。どうにもこうにも、ここはインドだ。
そうだ。今日はfabindiaで、エプロンを2枚、買ったのだった。1枚はブルー。モハン用。もう一枚はオレンジ。わたし用。なにげにペアルック。
……。
安いとか高いとか、得とか損とか、そういうことを考えてしまうことがときに猛烈に、たまらなくどうしようもなく思えることもある。なんなんだよ、豊かさって! などと思うこともしばしばだけれど。
まあ、ともかくは、楽しくやっていこう!