お待ちかね! 家政夫モハンの城、我が家のキッチン潜入レポート第二弾です。
さて早速、続きを。上の、何かしら野暮ったい写真は、韓国製サムソンのマイクロウェーヴ(電子レンジ)。これにもやはり、ナプキンがかかっている。ナプキンはさておき、マイクロウェーヴを、モハンは一度も使っていない様子。使い方は伝授しているのだが、彼の料理道に反するのかもしれない。料理は冷めても、ちゃんと鍋で温めてくれる。
マイクロウェーヴの上にあるのは、インドのキュートなバナナを吊るすバナナスタンド。マダムが例の「埃まみれの食器店(Jamals)」で、必要最低限を超えるものもほしくなって、買ってしまった品。蟻などからバナナを守るため、「高み」に配置している。こうしておくと、傷みも遅い。南インドでは、この小さな「モンキーバナナ」が主流のようだ。
さて、左にある、ややファンシーな鍋敷き。これとお揃いがまだ何枚かある。インド料理は大きな器にいれてテーブルに供するから、その器のための「鍋敷き」が常に必要なのだ。木製、あるいはコルク製の、もっとシックなものが欲しかったのだが、最近インドじゃ、この頑丈なプラスチック製のトレーや皿、鍋敷き類がはやっているようで、地味な物が見つからず。
右端のコーヒーメーカーは英国製。極めてシンプル。使い勝手もよい。
●こちらは、鍋釜類の収納スペース。手前の下にある鍋は、インド料理に必須の圧力鍋。朝のダリアも豆類の煮込みも、下ごしらえはすべて、この圧力鍋で。時間短縮、省エネルギー。昼餉前、夕餉前のキッチンからは、シューシューと蒸気が抜ける音が響き、同時にいい香りが漂ってくる。ご近所さんのキッチンからも、シューシューと音が聞こえる。いい香りも届く。
●なにしろ、何でもステンレス。取っ手のない、まるで電気釜の内釜のような形をしたステンレスの容器で、モハンは大量のミルクを沸かしたりしていた。ボール代わりにも使っていた。わたしが買ったフライパン(フランスのT-Fal製。他のインド調理器具に比して、非常に高かった。でも、他になかった)は、一切使われていない様子。
●無造作に、ニンニク(小振り)、タマネギ(小振り)、そして奥の袋にはジャガイモ(小振り)、そしてモハンのエプロン。インドの野菜は米国のそれらに比べて、全体にとても小さい。日本の野菜と比べても、小さいと思われる。
●さてさて、お次は冷蔵庫。これもサムソン製。あれこれデジタル機能のついたものもあったけれど、シンプル嗜好のわたしは、極めて単純な機能のみを備えた冷蔵庫を選ぶ。サイズも大小さまざまあったけれど、我が家は二人暮らし。加えてインド料理の素材は、冷蔵庫を使用しないものが多いから、中サイズを選んだ。サムソン。なんだか日本的で、使い勝手が懐かしい。ただ、日本製と違うのは「鍵」がついているところ。使用人など出入りが多いインド家庭仕様か。ちなみにサムソンのインド国内における家電展開はめざましい。
●まずは冷凍室を拝見。がらんとしてますね。ニルギリズで買ったパン。冷凍のエビ。右にあるのは、やはりニルギリで買ったコーヒー豆(すでに挽いてある)。南インドはコーヒーの産地でもある。このコーヒー(Classic Coffee)は、まろやかで香りのよい、飲みやすいコーヒーである。今のところ、お気に入り。ちなみに一袋130ルピー。3ドル程度。
●こちらは冷蔵室。自分の家の冷蔵庫とは思えない、よそよそしさが漂っていて、なんだか「失礼なこと」をしている気分にさせられる。まだまだがらんとしているが、これから先もがらんとし続けるような気がしないでもない。それはそれで、いいことだ。ところで右上の紫色はインド製ミルクチョコレート。これが滑らかで意外においしい! でも、猛烈に硬い。ブロックごとに割れないくらいに硬い。暑さによる溶解防止策か。
●「必要最低限しか買っていない」と言っていたのは誰だ。なぜか充実しているビールの品揃え。あれこれと味見したくて買ってしまったキングフィッシャーの各種ビール。右端の小さいボトルは、新発売の「ワインビール」。これが意外にフルーティーでおいしいのだ。ベルギーのフルーツビールを彷彿とさせる味わい。白ワインはシンガポールの空港で買ったもの。ついに今日、開けてしまった。ちなみにインドでは、最近ワインを扱う店が増えたけれど、海外のワインはかなり高い。国産の白ワインはそこそこおいしいものもあるけれど、赤ワインはちょっと辛い。でも、最近、慣れて来た。
●さりげなく乳製品。ニルギリズのバター。濃厚で風味よし。真空パックに入っているのはパニール(チーズ)。淡白なカッテージチーズ風。でもパニールは家で作るのが一番おいしい。大量の牛乳を沸騰させ、レモン汁を入れて凝固させ、布などで漉して作るのだ。でも、大量の牛乳からほんの少ししかできないところに不満が残る。パックに入っているのはヨーグルト。ちなみに牛乳もこういうパックに入っている。
●ふふふ。マダム購入の醤油とみりん。酒は白ワインで代用。でも、白ワインを使うのが惜しいなどと思えてしまう昨今。醤油はニルギリズで、みりんはデリーに行ったとき、大和屋という店で買った。あるだけで、取りあえずはいいのだ。あるだけで。なんというか、「保険」みたいなものね。
●これはケーキの箱。夫のオフィススペースをマネージメントしている会社からのウェルカムプレゼント。クリームがたっぷりのスポンジケーキだった。そこそこおいしかったが、クリーミーすぎた。