夏の午後。
まどろみの中で、波の音を聞いた。
海からは遠い、この高原の街で。
天井のファンがゆっくりと回っている。
少し汗ばんだ額に、風が届く。
刺すような白い日差し。
コスタブラヴァの、
地中海を望む小さな街の、
安宿の、
固いベッドと、冷たいタイルの床。
彷彿とさせる。
十数年前の不完全燃焼が、
束になって押し寄せてくる。
グラスの水は、喉に重く、
首筋に滴り落ちて、
シャツの襟元を濡らす。
よく熟れたマンゴーの実で、
ヨーグルトムースを作った。
甘酸っぱくてふわふわとしたもの。
攪拌するときの、無心。
夜、スジャータとラグヴァンと4人での夕食のあとに出した。
みな、おいしいと喜んで、食べてくれた。
4月が終わる。
5月が来る。