「ここのマンゴーがおいしいから、試してみたら」
そういいながら、スジャータがチラシをくれた。
"World Famous Ratnagiri Alphonso MANGOES" とある。
マンゴーにはさまざまな種類があるが、中でもムンバイ周辺で収穫されるというアルフォンソマンゴーは、その濃厚な甘みとほどよい酸味、うるわしい香りで知られる、インドで最も人気の高いマンゴーの一つである。濃い黄色の、手のひらにすっぽりとおさまる感じの、小振りのマンゴーだ。
スジャータ曰く、ここで売られているのは自然に熟させられた産地直送のマンゴーで、他の店で買うよりも格段においしいとか。今、このマンゴーシーズンに限っての出店だとのことで、早速出かけてみた。
住所にはMaharashtra Mandal, Gandhinagar 2nd Crossとあるだけで、番地はない。とりあえず、トライヴァーに2nd Crossまで連れて行ってもらい、近所の人に教えてもらった。外に看板が出ている。
建物の一室に入ると、机と椅子が3つほどあるばかりの殺風景な部屋に、マンゴーの箱が無造作に積み上げられている。インドらしく、散らかった汚い店だ。いや、店というよりは、物置だ。
女主人と、3人ほどの男性客。客はみな、大きな箱ごと購入している。
わたしは取りあえず、1ダースを買うことにした。スジャータはアルフォンソマンゴー以外にもBadamiという種類があるはずで、それもおいしいと言っていたのだが、今年は取り扱っていない様子。
1ダース250ルピー。6ドル程度。先日ラッセルマーケットで買ったマンゴーと同じ値段だ。旬の割には決して安くはない。しかし見るからに、実の充実感が違う。いかにもおいしそうだ。
とはいえ、食べてみるまでは、わざわざここまで買いに来る価値のあるものかどうか、判断できない。
「マダム。マンゴーなら、ラッセルマーケットにもいいのが売ってますよ」
とドライヴァーも言う。わかってはいるのだけれどね。ともかくは、一度試してみなければ。そんなわけで、帰宅して、早速、最も熟れている実を食べることにした。
皮を剥くうちからもう、果汁がしたたりおちてくる。
わくわくとしながら、最初のひとくち。
こーりゃもう、ラッセルマーケットで買ったものよりもさらに、味が濃厚で風味が強く、すばらしい味わい。マンゴームースになどしてしまうのは勿体ない、ただこれだけをひたすらに食べたい味である。
でも、マンゴーは食べ過ぎると身体を温めすぎるらしいから、1日1個だ。
でも、2つは食べてしまいそうだ。1ダースも買ったし。
なお、店はあと2週間ほど営業するとのこと。バンガロアにお住まいの方で、おいしいマンゴーを食べたい方は、ぜひ訪れてみてはいかがだろう。
[Contact]
Mrs. Sharmila Phatak
Maharashtra Mandal, Gandhinagar 2nd Cross
(080) 23444495, Mobile: 9844069475