【地下鉄で九龍島へ】 香港は、繁華街だらけだ。東京ほどではないにしろ、あっちこっちが賑わっている。さて今日は、更なる繁華街が広がる対岸の九龍島へ行こうと思う。フェリーで行くのが眺めよく気分良さそうではあるが、ホテルからは地下鉄が近く、乗り換えなしで行ける手っ取り早さゆえ、地下鉄で行く。
地下鉄路線図は極めてシンプル。間違いなく目的地にたどり着けそうだ。それにしても、地下鉄駅のムードが東京と酷似している。前回同様、日本に戻って来ているような錯覚に、しばしば陥る。それにしても、エスカレータの速度が早過ぎる。波に乗れず、何度か体勢を崩しそうになる。お年寄りには無理な速度だ。危ない。
【金魚市で金魚、鯉を見る】 地下鉄の旺角(モンコック)駅を下りて歩く。かなり蒸し暑い。まずは金魚市を目指す。市といっても、露店が出ているのではなく、通り沿いに金魚や鯉の店がぎっしりと軒を連ねているのだ。
金魚や鯉、カメなどの店に紛れて、犬や猫、ハムスターやウサギ類のペットショップも見られる。写真のこのフワフワとした生き物の名前は知らないけれど、触ったらものすご〜く柔らかくて、かわいかった〜!! 連れて帰りたくなった。
それにつけても、あっちこっちで膨大な数の金魚が売られている。これだけの需要があるということが驚きである。金魚は生活必需品なのか? 風水上、欠かせない「アイテム」なのか? 小さなビニル袋に数匹ずつ入れられた金魚の、しかし彩り豊かで美しいこと。香港の人々は、「花を買う」ように、「金魚を買う」のだろうか?
【女人街を通過し茶餐廰探訪】 金魚を眺め歩いたあとは、通菜街にあるレディスマーケット(女人街)へ。どんなものかと興味本位で訪れてはみたが、ここは安物の露天市である。
特に見たいもの、欲しいものが見当たらないので、早々に引き上げて、そろそろどこかでランチでも……と思う。が、これまた選択肢の多さに迷う。
どうしてこんなに食関連の店が多いのだろうかと呆れるくらいに、多い。いったい何を食べればいいのかわからなくなる。
ところで、ランチに便利なのは茶餐廰と呼ばれる食堂。麺類や御飯ものに野菜やドリンクが付いた「定食」が用意されている。一人でも、ふらりと入ってタタッとおいしいものを食べられるのがいい。
餃子に排骨、叉焼、鶏肉……。見た目は怪しげ、精力がつきそうな、漢方臭いっぱいの食べ物もある。
店頭に、日本のガイドブックの記事を貼り出している店も少なくない。記事を一つ一つ読んだりしているうちに、尚更、何を食べていいのやら、わからなくなってくる。
【足ツボマッサージのあと、ランチ】 蒸し暑い上、喧噪と騒音、視覚的情報量の多さにたちまち疲労感。食事の前に、これはフットマッサージに行くべきだと思う。ふらふらと歩いていたら、旺角駅近くのランガム・プレイスに「水云荘」という足ツボマッサージの店を発見。早速入る。
ここは雰囲気もよく、サーヴィスもいい。足を温浴し、軽くソルトでマッサージしてもらったあと、灯りを落とした別室で、座り心地のいいソファーにてマッサージ。抜群の気持ちよさで、あっという間に眠りの中。
前回、数軒の店でフットマッサージを体験したが、ここが今のところ一番である。また来たい。
すっかりいい気分のあとは、もう、小汚い食堂でランチを食べる気を失い、ショッピングモールへ。ここのフードコートに、しかし「食堂的」な定食屋を発見。
牛筋肉と上海風餃子が入ったヌードル、それにチャイニーズブロッコリの炒め物、豆乳のセットを注文。予想以上においしくて満足。ちなみにUS$5程度と、手頃なお値段。しかもヘルシーである。
食後、モール内をうろうろとしていたら、MUJI(日本の無印良品)を発見。ついつい、小物やらノートやら胡麻せんべい(!)やらを買ってしまう。荷物が重いと歩くのが辛くなるから買い物はしないと思っていたのに、しょうもないものを買ってしまった。
【ひたすら歩く。廟を詣る】 南北に走る目抜き通り、ネイザンロードを行き来しながら南下する。賑やかな夜市で知られるテンプルストリート(廟街)を通過して、天后廟に立ち寄る。海の神様である天后は、香港で最も人気のある神様の一人で、天后廟はあちこちに点在しているという。
天井には、信者らが購入した渦巻き状の線香が吊るされていて、煙がもうもうと立ちこめている。写真の説明にある通り、十日間、燃え続けるのだという。
蒸し暑い最中ではあるが、線香の香りに身を清められるような思いがして、しばらく境内ですごした。
【玉石混淆の翡翠市】 更に歩く。歩いて玉器市場(翡翠マーケット)へ行く。緑色の翡翠は、好きではないのだけれど、これもまた、「見学」である。インドではセミプレシャスストーン(半貴石)が安くで手に入るから、ここで買い物をすることもない。
が、ハートの形をしたガラス玉の、かわいらしいペンダントを見つけてしまったので、しかも格安だったので、2つほど、買う。ここは値段交渉をして買うのが「おきまり」のようである。
そんなこんなで数時間歩き続けた。途中の甘味処でマンゴーのデザートなどを味わい、休憩をいれつつ、歩いた。
蒸し暑いと、さすがに疲労度も高まる。夕方、地下鉄に乗って、ホテルに戻った。プールでひと泳ぎし、ジャクージーでリラックスし、スチームサウナで汗を流し、シャワーを浴びてすっきり。
夫は本日、同僚とのディナーミーティングにつき、わたしはモール内のレストランで軽く夕食をすませた。
よく歩いた。いい一日だった。