思ったほど暑くなく(摂氏32度)、モンスーンも一時停止の晴れ間で、久しぶりのムンバイに到着。以下、本日のいいこと、悪いことを○×で書き表してみる。
○ 朝の空港。渋滞なくスムースに到着。
○ キングフィッシャー航空のフライト。夫がファーストクラスにつき、エコノミークラスの妻(なにしろ、出張に便乗だからね)もファーストクラスの待遇。2名の地上係員により、ラウンジに案内される。
× でも、バンガロール国内線のラウンジは、アショカホテル(かつて国営だったサーヴィスの悪いホテル)の運営だけあり、快適ではない。でも、カプチーノなどを飲み、待つ。
○ 3名の地上係員(きれいなお姉さん&荷物持ち青年2名)により、並ばずに、セキュリティーチェックに直行。専用リムジンカーにて飛行機まで走る。人手過剰なインドでは、いつでも「余計めに」人間が派遣される。皆が役立つかは別として。
○ 夫、広々快適なファーストクラス、妻、エコノミー。でもキングフィッシャーのシートは快適。ペンやヘッドフォン、キャンディーなどが入ったおまけのポーチもついている。1時間半のフライトなのに食事も出る。
× 朝食。ファーストクラスは美味だったらしいが、エコノミーはまずかった。ちなみにノンヴェジタリアンのスクランブルエッグとチキンソーセージ、あやしげハッシュドポテト。
× ムンバイ空港の滑走路の一つが工事中らしく、空が渋滞。ムンバイ上空を何度も旋回して待つこと40分。違う都市まで飛べそうだ。
○ ムンバイ空港でも、地上係員3名(男子のみ)に案内され、専用リムジンでターミナルまで直行。荷物の受け取りもすべてやってくれる。超快適。
× インドの空港の風物詩といえば、空港外で待つドライヴァーたちの大群。皆、手に手に顧客の名を記したボードを掲げて、待っている。が、いくら探しても、夫の名を持つドライヴァーが見当たらず。キングフィッシャーの係員も探してくれるが、見つからず。
× 我々の携帯電話が使えない。AirTelという会社のサーヴィスを使用しているのだが、アクティヴェートされず、従って、車の手配を依頼していたバンガロアの旅行代理店に電話ができない。
× 公衆電話を探すが見つからない。STDという、「貸し電話屋」に行くが、ランチにでも出かけたのか、誰もいない。地上係員の個人の携帯を借りる。
× 旅行代理店がドライヴァーを確認するから待ってくれ、と言われて待つこと30分。もう、別のタクシーを使った方が早いのではないかと妻は思うが、すでにお金を払っているらしい。
× ようやくタクシーが見つかる。地上係員にチップを50ルピー(1ドル強)ずつ、奮発して払ったつもりだが、「携帯電話でバンガロアまでかけた料金」を100ルピー、請求される。夫は「そんなに高いはずはない」と文句をつけるが、「もう、払いなよ〜。いいよもう。」と妻はくたびれて、払うよう促す。
× ドライヴァーの意識が低く、態度が悪い。「便が遅れていると思って、ボードを掲げていなかった」とわけのわからぬ言い訳をする。彼は英語が出来ないので、夫はヒンディー語で文句を言いまくる。ドライヴァーは自分が悪いのに、絶対謝らない。世界観の異なる人を相手に文句をつけてもしょうがないから、「やめよう、もう」 と言いつつも、腹が立っている妻。
× 正午、ホテルに到着。夫の打ち合わせは午後3時から。2時半にはホテルを出る。 チェックインをして、ランチを食べて……と、早速部屋に行くと、ラグジュリアスルーム(改装したばかりの比較的いい部屋)にもかかわらず、工事の音がうるさい。
○ 工事の音がうるさいからなんとかしてくれ。と、フロントに問い合わせたら、「スイートルーム」にアップグレードしてくれた!!
× AirTelのカスタマーサーヴィスに電話をするが、つながらず。携帯、使えず。フロントデスクに確認をしてもらい、我々はランチへ。
○ カフェでパスタとスープの軽いランチ。「このペンネアラビアータは、アルデンテでおいしい!」と、妙にアルデンテに執着するハニー、喜ぶ。その後、彼はオフィスへ。
× 携帯電話、3時以降には必ずつながるようアクティヴェートさせるとカスタマーサーヴィス。しかし、つながらず。
○ 妻、快適な部屋で、読書。中島岳志著の『中村屋のボース - インド独立運動と近代日本のアジア主義』。こういう人物が存在したことに驚きつつ、また著者の入念な調査と非常に理解しやすい文章、また構成(編集)に共鳴しつつ、読み進める。
○ いつの間にか、眠っている。ここ数日、睡眠不足だったので、疲れが出ていたようだ。それにしても、4時ごろ、うとうととし始めて、目覚めたら8時というのは、あまりにも、寝過ぎではないか。我ながら、驚く。
○ 夫、8時半に戻る。「今日はいいことと悪いことが入り乱れた一日だ!」と夫も報告。
○ 夫の会社(香港本社)が提携しているコンサルティング会社の一室を、彼はムンバイ出張中、利用できるらしい。そこはナリマンポイントという場所にあり、海を見渡せるオフィスで、「もんのすごく快適!」らしい。米国の、彼が知るところの、どの一流企業のオフィスよりも快適と言い切る。それって、インドの汚さに目が慣れて、評価が甘くなってるんじゃないの? と妻は思うが「じゃあ、一緒においでよ。自分の目で確認してよ」と言う。行ってみようかとも思う。
× 4本のうち、2本の打ち合わせがキャンセルされたらしい。一人はチェンナイ出張から、急に戻ってこられなくなり、物理的に不可能とのこと。しかし「AirTelへの文句の電話」に時間を割いたため、キャンセルになったとはいえ、忙しかったらしい。
○ 打ち合わせをした一人が、デリー時代の高校の、同級生だったと発覚。お互い面識はなかったものの、共通の友達もいて、ビジネスの会話にとどまらず、打ち解けた気分になれたらしい。楽しかったらしい。
× 携帯電話は夜になっても使えない。
○ 夕食は、我らがお気に入りのタイ料理レストランへ。前菜、野菜炒め、パッドタイ(ヌードル)を。いずれもおいしくて、幸せ。
○× 午後9時になり、ようやく、夫の携帯電話がつながった。しかしわたしの電話はまだつながらない。でも、火急の用があるわけじゃなし、なくてもなんとかなるだろう。
○ 久しぶりに、湯船に浸かる!! 自宅では、湯船に浸かれるほど大量の湯が継続的に出ないのだ。バスルームは3カ所あるので、すべてのギザ(湯沸かし器)を作動させて、家政夫モハンにバケツに湯を汲み、運んでもらうという奥の手もあるが、いつも考えるだけで面倒になり、シャワーだけですませている。やっぱり、湯につかると、落ち着くね〜。
○ このホテル(Taj系列)の、アーユルヴェーダな石けんが大好き! なのだ。この石けんを使うと、気分がよりよくなる〜!
○ ルームサーヴィスのインド産ワインを飲みつつ、こうしてコンピュータに向かって一日を振り返っている。幸せ〜な気分。夫もまた湯船に浸かってゆっくり入浴したあと、隣室で、TVを見ている。幸せそ〜うなムード。
そんなわけで、いいこと悪いことが混在した一日。
往々にして、インドとは、こういう出来事の繰り返しである。今日は非常に象徴的に、いいこと悪いことが交互に現れたので、文字にしてみた。
精神衛生上、「よかったこと」を振り返りながら、今日も一日の幕を下ろそう。