週に一度は、福岡に住む母に電話をしている。福岡は、たいそう暑い様子だ。
「福岡が、アフリカになるんじゃないかしらと思うくらいよ」
との母の言葉に、天神やら博多界隈をキリンや象やシマウマなどが、ドタバタと駆け巡っている様子を想像して笑ったが、笑っている場合ではないのである。身体の弱い人たちなどは、耐えられない暑さであるに違いない。母も外出する気力さえなくなると言っていた。
「避暑地バンガロールへいつでもおいでよ」とは言っているものの、母は一人で来る根性がないので、仕方ない。毎度送り迎えはたいへんだしね。というか、半年前に来たばかりでもあるしね。
ところで、上の写真は先だって、アルヴィンドが香港出張に行った折、例の「ショッピングリスト」に基づいて買って来てくれた日本食材の品々である。どうです? すばらしいでしょ?!
帰国の前日、香港から電話をかけて来た夫。
「ミホ〜、買い物してきたよ〜。でもジャパニーズライスが重かったよ〜。他のと合わせたら、軽く20kgは超えてるしさ〜」
「ちょっと待ってよ! お米は5ポンド(約2.25kg)入りを3袋だから、せいぜい7kgでしょ? あなたって、本当に大げさな人よね」
「え〜、1袋5kg入りを買うんじゃなかったの? っていうか、その袋入りしかなかったから、てっきり5kg入りを3袋と思ってたよ!」
そんなわけで、我が家の日本米。潤沢! 当面、惜しみなく食べられると言うものだ。
帰宅後は、スーツケースやバッグから、次々におつかいの品を取り出して、得意げである。eccoのサンダルも間違いなく希望の商品が買われていた。
「これはね、ifcモール店では品切れていたから、別の店舗から取り寄せてもらったんだよ。3時間以内で取り寄せてって頼んだら、ちゃんと届いてたから、よかった〜」
そういいながら、eccoの袋から、しかし3つの箱が出てくる。2足は自分のために買ったらしい。新しくていいデザインだ。更には、「半額セールだったんだよ」と断りながら、バーバリーのベルトを取り出し、つけてみせる。
古くからの読者の方は、夫が「セール時のバーバリーが好き」ということを、ご存知かと思う。相変わらずなのである。
話をもどすが、日本食材である。わたしが希望していた「ゼライス」はなかったらしいが、「粉寒天」やら「ゼリーの素」を買って来ているあたり、すばらしい。もちろん、店の人に尋ねたらしい。
あと、頼んでいない「海苔」が入っているあたりも、憎い。しかも、上質。更には、
「このごませんべいはね、2種類あるんだけど、こっちは手作りですごく高かったんだから、大事に食べてよね」
とのことで、手作り品を含め4袋ほど買って来てくれた。安い方は週末のうちにほとんど食べ尽くしてしまった。せんべい好きなものでね……。
我が家のキッチンの日本食コーナー、たいへんな充実ぶりに、とても幸せである。