本日は、クッキングクラス。今回は、第4回の新メニューであった。普段は3品を調理するが、間もなく米国に帰国するエミさんのリクエストに応え、毎度おなじみ「マンゴーヨーグルトムース」のレシピも加えた4品を実習する。以下、メニューの概要を、クッキングクラス用資料より抜粋。
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今回は、ラム肉、ポテト、豆を利用した料理を学びます。ラム肉は、骨付きの方が旨味が出るのでお勧めです。講習ではBamburiesのラムチョップを使用します。
ポテトと共にソテーするフェヌグリークは、日本人になじみのない素材ですが、香りが豊かで健康にもいい、お勧めの野菜です。
ラジマは豆の旨味が楽しめる、マイルドな味付けの一品。金時豆は、「甘納豆」を彷彿とさせる豊かな味わいです。
マンゴーシーズンが、終わってしまう前に、今回はマンゴーヨーグルトムースのレシピもご紹介します。異種のマンゴーをブレンドして使うのもいいでしょう。
●ラム肉(マトン)のカレー
インドでは、羊肉は非常に一般的な肉です。一般に1歳未満の仔羊を「ラム Lamb」、2〜7歳程度のものを「マトン Mutton」と呼びます。ラムはマトンより柔らかく、匂いが軽めです。ラム肉に含まれるカルニチンという成分は、血中の中性脂肪やコレステロールを減らす働きがあり、ダイエットに効果があるといわれています。そのラム肉を柔らかく煮込んだカレーです。
(※後日判明しましたが、インドで「ラム」「マトン」と呼ばれているのは、「羊肉」ではなく、「ヤギ肉」でした。思えばインドでは、あのふかふかした羊は見られませんものね。)
●ポテトとフェヌグリークの葉のソテー
フェヌグリークの葉は、少々苦みがあり、癖のある味ですが、ポテトのマイルドな味わいと調和します。フェヌグリークは、滋養効果、活性効果があり、糖尿病や貧血症、また妊娠中の人にもお勧めの食材です。
●ラジマ(金時豆)の煮込み
ダールと同様、北インドでよく食べられる豆の煮込みです。豆が大きいので、ほくほくとした食感を楽しめます。
●マンゴーヨーグルトムース
マンゴーを使った、甘酸っぱく濃厚な風味のムースです。インドのカード(ヨーグルト)、酸味のある生クリームでも、おいしく仕上がります。こくのある無精製の砂糖「ジャガリ」で甘みを添えます。マンゴーの代わりにオレンジを使ってもいいでしょう。
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とまあ、こんな感じである。まずは「冷蔵庫で固まらせる」必要のあるデザートから先に作る。すでに店頭に並ぶマンゴーの数は減り始めているが、食料品店のニルギリズで、あるいはご近所の露店で、昨日のうちに味見をして購入しておいたマンゴー2種を使用する。
パイナップルやオレンジでも代用できるが、パイナップルの場合、酵素がゼラチンの働きを妨げて固まらなくなるらしいので、一旦、火を通すといいらしい。ちなみに缶詰なら問題ないらしい。
さて、上のグリーンが、身体にいいとされるフェヌグリークである。今日は甘みのある小さなジャガイモとともにソテーした。少々苦みがあるものの、ヘルシーな味わいでおいしいのだ。
ラジマは、甘く味付けすると、本当に和菓子のような風味。ラムチョップは、時間の都合上、少々煮込み不足。圧力鍋をラジマに使用していたので、普通の鍋で煮込んだため、時間が足りなかったようだ。
……と書いて気づいたが、クッキングクラスをやっていることだし、圧力鍋をもう一つ、買えばいいのよね。インドのはリーズナブルだし。さっそく、来週、買いに行こう。
ところで、クッキングクラスも回を重ね、講習生から、自宅で調理した報告を受ける。講習通りうまくいった、という人もあれば、何かが違う、ひと味足りない、全然違う味だった、と結果はさまざまだ。
わたし自身の経験から、そして何かの本にも載っていたのだが、料理はレシピ通りにやってうまくいかなくても、諦めたりいやになったりせずに、「最低3回は挑戦する」必要があると思われる。
たとえ同じ素材を用いていたとしても、調理器具は異なるし、素材のコンディションも異なる。回を重ねるごとに改善して行くと、ようやく5回目くらいから、安定した味を作り出せるようになるのだ。
わたし自身、米国時代にインド料理を作っていたときもそうだった。夫の好物であるインドの菓子、グラブジャムン作りなどは、何度も試行錯誤が必要だった。
試行錯誤の過程で、スパイスの加減なども自分の好みに調整し、レシピを「オリジナル」に作り替えていくのがまた、楽しい作業でもある。こくを出したい人は、ほんの少しギーやバターをいれてもいいし、まろやかにしたい人は生クリームをいれてもいい。
辛みを強めたい人は、チリやペッパーを、酸味を強くしたい人はトマトの量を増やすなど。
そんなわけで、数回うまくいかなかったからといって諦めず、挑戦していただきたい。
ところで、以前も書いたが、クッキングクラスで紹介している料理のレシピはすべて天然素材だ。野菜や肉、スパイス以外に、人工的な調味料は一切使用せず、油脂分、塩分もかなり少なく、だから健康にとてもいい。
レストランで食べる油脂分がたっぷりの料理とは異なる、インドの家庭料理をぜひとも楽しんでほしいと思う。ちなみに、講習生マダム曰く、知り合いのインド人宅で食事をごちそうになったらしいが、油脂分を多用する家庭だったらしく、かなり胃にもたれる感じだったとのこと。
つまり、家庭料理だからといって、すべての家庭がヘルシーな料理を出しているというわけではなく、やはりモハンのレシピは優秀なのである。みなに喜んで食べてもらえると、自分が作った訳でもないのにうれしいのである。
さて、ランチを終える頃には、冷蔵庫に入れていたマンゴーヨーグルトムースもほどよく固まっていた。
マンゴーピューレやホイップクリーム、ミントの葉、ザクロの実などをトッピング用に準備する。今回は、自分の好みで各自盛りつけ。
ふんわり滑らか、甘酸っぱいムースは、いつ食べてもおいしい! マンゴーが潤沢にあるインドならではの、おいしいデザートだ。季節が終わらないうちに、心ゆくまで堪能しておこう。