●新居採寸
青空、晴れ渡る日曜日。今日は午前9時より、内装設計士&大工(棟梁)と打ち合わせ、及び家の採寸である。
我が家から、新居まではクルマで約15分ほど。線路沿いの道を西から東へと走る。
途中、貧民街を通り抜ける。バラックに住まう人々の様子が、いつも車窓から手に取るように見える。牛が多く、馬小屋もある。
朝の新居を訪れるのは初めてだったが、朝は朝でまた、気持ちがよい。
写真はダイニングルームにする部屋。
リヴィングルームと、このダイニングルームのスペースが、デュプレックスの吹き抜けになっており、この部屋には中途半端にロフトがある。
このロフトの使用法について、あれこれと相談する。
スペースを拡張して、小さなベッドソファーのようなものを置いて、はしごをつけて、「秘密のくつろぎの空間」をつくってはどうだろうということになる。
全然、秘密ではないのだが、秘密っぽい感じが楽しい。ロフトからも、木々のそよぎが見える。ハイジの山小屋のようである。
打ち合わせの途中、棟梁が、デザイン案を鉛筆で白い壁に描いた。インド的おおらかさである。わたしとて、どうせクローゼットで隠れ得る場所だからいいと思うのだが、マイハニーは神経質だ。
「そこには描かないで!」
と、頑である。むしろ彼の方が、わたしよりも日本人的なのかもしれないと思う今日この頃。時間厳守でないところは、インド人そのものだけれど。
なんだかんだで、採寸は2時間近くかかった。
●花の公園散歩
一旦、帰宅した後、植物園Lal Baghへ。今、フラワーオークションが行われているのだ。人が多いことが予想されたが、どうしても見たかったので、厭がる夫を説得して出かけた。
たいへんな人ごみに、案の定、速攻で不機嫌なハニー。
「僕はここから、一刻も早く抜け出したい! As soon as possible!!」
とうるさいので、30分ほどで退散となった。一人で来ればよかった。
帰りにバンガロールクラブに寄った。すぐに帰るつもりが、アルヴィンドが屋外のバーでクリケットの試合を見始めた。やれやれ。
ビールを頼み、わたしは新聞を読む。新聞を読む。……新聞を読む。わたしは、他にもやりたいことがあるんだ。なんでここで、新聞を読んでなきゃならんのだ。かれこれ2時間も過ごした果てに、業を煮やして一足先に帰宅した。
ところで今日は、またしても、バンガロール市街で暴動が起こっていた。火炎瓶などを投げるなどの騒ぎがあり、ついには11歳の少年が死亡。いい加減にしてほしい。
●夫の審美眼に疑問符
夜。ペットの話になる。まだどうなるかはわからないが、いつかペットを飼うなら、どんな種類がいいかなどを、ウェブサイトのペット情報を見ながら、とりとめもなく話す。
夫は子供の頃、家族の知り合いから譲り受けたポメラニアンやらなんやらを、歴代4匹ほど飼っていたらしい。今度はブルドッグがいいと言う。
わたしは、いやだ。なのに夫ときたら、こう言うのだ。
「ブルドッグって、かわいいじゃない! 顔がへちゃ〜っと平坦で、ほっぺたがたら〜んとぶら下がっててさ! ほんと、かわいいよね〜!」
そう言いながら、弾ける笑顔だ。
「……ねえ、本気であなた、この犬をかわいいって思うわけ?」
「思うよ! あ、これ見て! チャウチャウも、顔がくしゃ〜っとして、かわいいねえ〜!」
……。
夫は、こんなわたくしに対しても、時折「かわいい!」と言ってくれるスイートなハニーである。
言われれば、うふふ、とうれしかったものである。
でも、今、なんだかとっても、複雑な気持ち。