土曜日だ。
今日は新居の最終支払日であり、鍵を受け取る日であった。取りあえずは、1セット。さまざまな書類の最終ファイルが終了したのち、残り2セットを受け取る。
ともあれ、めでたい。
相変わらずの、インド産スパークリングワイン (SULA Brut)で乾杯である。
ベッドルームそれぞれの鍵などもあるから、すでにどっしりとした鍵束である。その鍵を見ながら、鍵がなかった日々のことを思い出した。ワシントンDCからカリフォルニアに移住した際、アメリカ大陸横断をした2週間のことだ。
インド移住への序章としての、半年間のカリフォルニア生活だった。前途は、多難そうにも見えた。あの日、ルート66沿いのモーテルで目覚めた朝。バッグに入っていた空のキーホルダー。自由な蝶々。その軽さに、少し胸が締め付けられた。
あれから一年半。インドで新居を購入。夫婦間大バトルを展開する日々が続いたものの(最近はちょっぴり緩和)、なんだかんだと我々、よくやっているではないかと、自画自賛の心境である。
さて、明日は内装設計士および大工がやってくるので、その前にキッチンの大まかなラフデザインを作る。
あれこれと参考資料を見ているうちに、結局のところ、ややこしく凝るよりも、シンプルに使い勝手よく、が基本であると結論。
まず大切なのは、自分の調理台にする予定のアイランドの高さ。わたしは身長166センチだが、室内でも靴やサンダルを履いているので、高さは90センチ程度とした。
その他、キッチンの引き出しや棚の構成、食器棚のデザインのラフ案を、あらかじめ撮影して来た新居の写真をプリントアウトしたものの上に描き込んでゆく。結構、楽しい。
ディテールは、参考資料を用いて、内装設計士に意向を伝える。ハンドルや内部に使用するステンレスなどのハードウエアは、大工さんと一緒に買いに行くから、そのときに選べばよい。
キッチンのデザインが終わったら、各ベッドルームにダイニング、エントランスエリアにバスルームと、「クローゼット」と一言では片付けられない、あちこちに収納棚や本棚や飾り棚類が必要だ。
また、あれこれと考えることになりそうだ。