シンガポールに来ている。
夕べ、バンガロールを深夜に発ち、3時間余りのフライトで早朝6時過ぎのシンガポールに到着。機内では2時間ほど寝たとはいえ、相当に、眠い。
なんだかんだと食べたがっている場合ではないくらい、眠い。
ホテルは7時半という早朝でありながら、しかしチェックインできるところが観光王国シンガポール。ホテルのカフェで朝食ブッフェをとり、部屋で2時間ほど仮眠をとり、外出した。
今回、シンガポールへ1泊したのは、夫の仕事の関係者に会うためである。その打ち合わせが思いのほか長引いたため、たいした自由時間もなく、マリーナ界隈のモールなどをうろうろするにとどまる。
新しいレストランを開拓する根性もなく、以前訪れたシーフード料理店でカニや魚を食べた。
この間二人でシンガポールに来たのは、インド移住直前の2005年11月。あれから1年余の間に、本当に、いろいろなことがあったものだ。
そのあとも、母とシンガポールに来たのだった。
あれから2回しか切っていないとはいえ、わたしの髪もずいぶん伸びた。
そもそもは、伸びるのが遅いのに。
やはり、アーユルヴェーダのオイルマッサージが効いている気がする。
そんなことはさておき、明日はまた早朝の便で、サンフランシスコを目指す。サンフランシスコでは旧友たちにも会えそうだ。
地理的には、若干インドから離れたが、未だ我が全身に、インド風味がしみ込んでいる。
新居関係の怒濤が刻印されきっている。思い返すに本当に、ものすごい2カ月間だった。
なんとか早いところ洗い落として、リセットして、新鮮な気持ちでインドの日々に対峙したいものである。
ああ、そうだそうだ。
夕べのバンガロール空港は最悪であった。通常から最悪なのに、より最悪なのである。
喜ばしき雨期が到来したのだが、ちょっとした大雨で、あちこちの道路は水没。まるで川の中を走るようで、ひやひやさせられることしきり。
やっと空港に到着するも、車を降りてすぐは、屋根のない通路を雨に打たれつつ、大荷物とともにかけてゆかねばならない。
空港は、相変わらず混沌。雨に濡れた我が身を、今度は何匹もの蚊が攻撃してくる。
ようやくチェックインを終え、出国審査を抜けたと思えば、毎度汚らしい椅子が並ぶ空港待合室。しかもゲート付近が雨漏りしている。バケツやらくずかごなどで雨だれを受けているが、周囲には大きな水たまりができている。
搭乗までの暇にあかせて、空港職員やら航空会社のスタッフに雨漏りの片付けをなんとかならんのかと何度か詰め寄ったりしたのだが、暖簾に腕押しであった。
わたしはだんだん、いや、よりいっそう、小うるさい、いや大うるさいばばあになりつつある。
しかしそんな自分を、止められない。
加齢現象か?
だから、ときには脱出が必要なのだ。