●朝からスポーツ観戦
日曜の朝だというのに、そして夕べは夜更かしだったというのに、けたたましい目覚まし時計の音で目覚める午前6時。NBAファイナル(米国のバスケットボールの決勝戦)があるため、アルヴィンドが張り切って早朝から観戦なのである。
学生時代にバスケットボールをしていたのはわたしの方で、彼はといえばクリケットかテニス。バスケットボールのルールもよく知らなかった割に、彼は観戦が好きなのである。
一人で静かに起床してほしいところだが、わたしも一緒に巻き込まれ、しぶしぶ起床。7時半にはガーデナー三人衆もやってきて、芝刈りの音も高らかに、おちおち眠ってはいられないのだ。
更には今日、10時半上映の「シュレック3」を見に行くため、チケットの予約をしている。ちなみにインターネットで予約、クレジットカードでの支払いは簡単に出来、予約表をプリントアウトして持参すれば、窓口で速やかにチケットと引き換えてもらえる。
クレジットカードを使うのが嫌な人は、1日前までに電話予約すると、チケットを宅配してもらえる。もちろん追加料金は必要だが、やはり便利である。インドは日々、進化しているのである。
10時ちょうどには家を出なければと、ガーデナーたちを急かせて仕事を片付けてもらい、我々も急ぎ、ガルーダモールへと直行したのだった。
●シュレック3は……
シュレック3。これから見ようと楽しみにしている方は、以下を読まないでいただきたい。一気にするるる〜っと下がって、スポーツ用品店の話題まで下りていただければと思う。
米国時代からの読者はご記憶であろうかと思うが、我々は「シュレック1」「シュレック2」のファンであった。どちらも好きで、何度か見た。しかし、日本に帰国した折、母と妹にも見てもらおうと日本語吹き替え版をレンタルして、愕然とした。
イメージ崩壊。途中で見るのが苦痛になったものである。あの映画は絶対に「字幕」で見ていただきたい。
で、映画そのものであるが、制作スタッフが変わったとの話は聞いていたが、……よくなかった。それなりに笑えるし楽しいのだが、シーンの展開が早くて浅薄な笑いが続き、心に刻まれない。
アニメーションの技術は進化しているし、映像は美しいと思うのだが、音楽も耳に残らないし、ストーリーも散漫。「おもしろくてすぐに読めるけれど、あとにのこらない軽い文体の単行本を一気読みした」ときの感覚に似ている。
アルヴィンドもわたしも同意見で、二人して、残念な思いで映画館を出たのだった。
●スポーツ用品店で、テニスとバドミントンのラケットを。
わたしがラッセルマーケットの玩具店で購入していたバドミントンのラケットは、さすがに「おもちゃ」っぽかったため、アルヴィンドがスポーツ用品店できちんとしたものを買いたいという。
加えて、ここ数日のUSオープンの影響でテニス熱が再燃した彼は、テニスのラケットも買おうという。我が家のアパートメントビルディングにはテニスコートが併設されているため、自由に使うことができる。
ガルーダモールのスポーツ用品店は品揃えが少ないため、繁華街ブリゲイドロードから伸びる、チャーチストリートのスポーツ用品店まで赴いた。
クリケット用品を中心に、テニス、バドミントンのラケットが豊富に揃っている。あれこれと見比べつつ、手頃なものを購入。バドミントンに至っては「ネット」まで買った。
庭に張って、真剣に「試合」をする気らしい。
実は、わたしは、昨日も彼のバドミントンに付き合い、シャトルを追って上の方ばかりを見ていたせいか、首の筋がやや痛いのだ。情けないのだ。なのに、「今日も、バドミントン、やるからね!」と、夫はしつこいのだ。
近くのレストラン「サイゴン」でランチブッフェを食べ(いまひとつ)、帰りにNamdharisで食材を調達。
途中、モスクロードのマンゴー露店で、数種類のマンゴーを購入する。
1キロあたり、だいたい20ルピーから30ルピー。
以前、千疋屋の商品を通販で購入し、福岡の実家へ何度か送ったことがあった。そのせいで、定期的に電子メールでの商品案内が届くのだが、先日のメールで紹介されたマンゴー情報には度肝を抜かれた。
いくらなんだって、1個が17000円を超えるって、有り得んやろう。極上だったとしても、だ。こんな商品が存在する日本って、本当に、不思議な国だ。
そういえば、昨年の7月にインド産マンゴーが日本市場に向けて解禁になったはずだが、どうなっているのだろう。あまり出回ってはいないのだろうか。
夕方には、外出していたK子さんも帰って来て、夕暮れのひとときをのんびりと……と思いきや、バドミントン。
新しいラケットを試したいアルヴィンドに、「無理矢理」な感じで対戦させられ、汗を流すことになる我々であった。
その後、夕飯の準備をし、おいしい食卓で幸せな日曜の夜。そして締めくくりは、マンゴーテイスティング!
4種類ほどのマンゴーを、無造作に切り分ける。
たいてい、一つか二つは「いただけない味」のものがあるのが普通なので、多めにどさどさと切ったのだが、今日のはいずれも、おいしい。
それぞれに、それぞれの、おいしさがある。
爽やかな酸味と甘みが調和したもの、バターのようなクリームのような風味があるもの、花のような香りがするものなど。
みな、手づかみで食べるのが、「流儀」である。
「これ、意外にいける!」
「これも、おいしい!」
「ぼくはやっぱり、アルフォンソが一番!」
と、それぞれに、口の周りも手もべたべたにしながら、感想を述べつつ、しかし、どれがなんと言う名前かもよくわからぬまま、テイスティングとは言いがたい、ただ「食べ放題」感覚で、味わうのだった。
インドの夏の幸せをかみしめながら、日曜、至福の夜。