目覚めて、庭を歩き、緑の風を受け、ヨガをし、読み、食べ、語り、片付け、仕事をし、また食べ、外へ出て、語り、仕事、料理、飲み、食べ、語り、綴り、歩き、眠り、また目覚め、日常が、平穏に、繰り返されてゆく。
「お絵描き道具」を持って来た母。今朝は絵筆を取って、明日の外出に持参する小さなハンドバッグに、花を描く。
服を買い求めたり、眼鏡を買い替えたり、母はしている。
* * *
ただひたすら、轟々と流れるように、日々が滑り落ちてゆく。
朝晩の風はひんやりと、まるで初秋のようすで。
この国にいると、感傷のいとまもなく。
鈍色(にびいろ)の雲間から溢れる光の矢。
連なる大樹に抱かれた喧噪。
追いつかない。
黙認するかのように、夜風に吹かれて目を閉じる。