1カ月と数日ぶりのバンガロール。今回ほど、バンガロール宅に戻るのが楽しみだったことはない。なにしろムンバイの蒸し暑さが辛い。
日中はそこそこに凌げるのだが、問題は就寝時の「寝苦しさ」にある。
友人や知人らの多くは「冷房をつけたまま、ブランケットを被って寝る」というのだが、わたしにはそれができない。冷房で喉が痛み、関節が痛む。身体の芯が冷えてしまう。
とはいえ、天井のファンだけでは蒸し暑い。加えて、夏場でもバニャ〜ン(ランニングシャツ)に長袖の白いクルタパジャマを着用して寝る夫。体温が高くて汗をかきやすい彼は、まるでホカホカの肉まんのような存在感だ。
そんな肉まん夫とから少しでも距離をとろうとベッドの端によってはみるものの五十歩百歩。蒸し暑さに夜中目をさまし、しばらく冷房を入れて消す、などということを繰り返すから、熟睡できない。
むしろモンスーンが来れば気温も下がるのだが、今年はモンスーンの到来が遅れているようだ。なんでも、どこかの土地でモンスーンが「ひっかかっている」らしい。一気に来られてマキシマムな水害攻撃を与えられそうでいやだ。
さて、一方のバンガロール。夕方、空港に到着するや否や、雨が降り出した。こちらはすでにモンスーンに入っていて、毎日、夕刻には雨が降っているようだ。
この時期の空は、美しい。雲の動きがはやく、その形もまた、独特だ。まばゆいほどの白い雲と澄み切った青のコントラストの美しさ。灰色の、雨雲の隙間からこぼれ落ちる日ざしの様子もまた、いい。
ところで土曜の夜は、バンガロール日本人会の総会であった。数日前に記した通り、場所がタージ・レジデンシーからタージ・ウエストエンドに移行し、「速やかな感じ」で会合は過ぎていった。
今回も、多くの日本人マダムたちがサリーなどをお召しになって、みなそれぞれに美しい。わたしは着やすい絞りの黒いサリーを着た。数カ月前にムンバイのワールドトレードセンターのフェアでアメダバードの一家から購入したものだ。
思えば、それぞれのサリーに、購入時の逸話があり、思い出がある。3年余りのうちに少しずつ増えたサリーを眺めながら、そのときどきを思い返すのもまたをかし。
7時からの開会、9時半の終了と、短い間に、総会があり、食事があり、コーラスがあり、ビンゴーゲームありで、あっという間だ。
思えば3年前、初めて総会に出席した時は、夫がニューデリーに転勤する可能性があり、バンガロールでの総会出席は最初で最後だと思っていた。
しかし、バンガロールでの仕事が継続となり、家を買い、落ち着いたかと思ったら今度はムンバイ転勤。
しかしバンガロールは拠点として残り、こうして3年後も参加している。わたしもいつしか、古株となりつつある。二度と同じ顔ぶれで集まることのないこの会合に、わたしはこの先、何度現れるのだろう。
「いつまでインドにいるのですか?」
と訊ねられることがよくある。
夫は今でも、いつかは米国に戻りたいと思っているようだが、わたしは、これから先もずっとインドを拠点にしておきたいと思う。
このまま、バンガロール宅に家財道具はじめ、さまざまな身の回りのものを取り敢えずおいておき、あとはスーツケースで移動すればいいのだ。
今のところ、わたしにとって地球の中心はインドで、東へ飛べば日本、西へ飛べば、欧州、そして米国で、その距離感がちょうどよい。
つまりは、バンガロールの、ものすごい古株になる可能性も、かなり高いのである。
日曜日は、友人夫妻に招かれて、再びタージ・ウエストエンドに赴きサンデーブランチ。このホテルのダイニング(ミント)は、緑豊かな庭に面していて、本当に心地がよい。
ブランチのブッフェは、シャンパンも味わえて、注がれるがままに飲んですっかり酔っぱらい、料理も少しずつ味わい、4時間ほどもしゃべって飲んでの午後だった。
気がつけば、夫アルヴィンドがムンバイから戻るころ。今日は夕飯の準備をしたくないなと思っていたら、彼もランチミーティングでたっぷりとインド料理を味わったらしく、夕飯はワインとトースト(あんまり?)で満足してくれたのでよかった。
今日、月曜日は、日がな一日、庭と、庭に面したダイニングルームで過ごした。
新聞の読み込みリサーチ(まだやってる)をしつつ、インターネットでテレビを見たりしつつ、月曜だが日曜の気分で。
夜はIISキャンパスのヴァラダラジャン宅へ。
義姉スジャータとラグヴァンと1カ月ぶりに再会し、スジャータ手作りの料理を味わう。
やっぱり、バンガロールに戻ってくると、ほっとする。
ところで17日水曜日、第4回チャリティ・ティーパーティを開催します。
今回は、さくら会を通してのメールをお送りしていませんが、OWCの会員でない方でもご参加いただけますので、ご興味のある方はどうぞお立ち寄りください。午後2時以降、コックスタウンの拙宅をオープンハウスにしています。
詳しくは、メールでお問い合わせを。