バングラデシュはダッカのサリー商人から購入したサリー用布(約5メートル)を持って、バンガロールに古くからある商店街、コマーシャル・ストリートへと赴きました。
このストリートには、さまざまなテキスタイルショップが点在していますが、今日はストリートの入り口、カムラジ・ロードに面した規模の大きい店、Mysore Saree Udyogへ足を運びました。
店内は平日の午後だというのに、まるで休日のような賑わい。店内のあちらこちらで、サリーやサルワールかミーズの布を吟味する女性たちが見られます。
棚に並んだ布を、店の人が次々に広げて出してくれます。あれでもない、これでもないと、女性たちは鋭い審美眼で、ターゲットを絞ります。
このような店に来ると、毎度のことながら、インドの女性たちの「布を選ぶ目」の鋭さに感嘆させられます。
サリーについては、産地別、マテリアル別、オケージョン別(結婚式やパーティ用など)に、ある程度のカテゴリーを絞って選ぶ必要があります。
さもなくば、いったいどこから見ていけばいいのかわからず、目が泳ぐばかりです。
衣類の装飾に使用するキラキラ(ギラギラ)した小物類も豊富。今日のわたしの目的は、あくまでも「サリーのブラウス用布を購入するだけ」なのに、新たに別のものが欲しくなっていけません。
さて、サリーや洋服用のファブリック(布地)は2階にありますので、上階へ。店のスタッフが、お客さんに出すべくチャイやコーヒーを運んでいます。
インドではお茶を飲みつつゆっくりと品定めをするのが一般的なのです。
それにしても、いつもいつも思うことですが、インドのファブリックの多彩さ、豊かさといったら、本当に尽きません。
この店はあくまでも衣類用ですが、インドではカーテンやベッドリネン、ソファー、クッションなど、あらゆるリネン類を布から選んで作るのが一般的です。
家具用のリネンなどについては、また時を改めてご紹介します。
派手派手の布を見た後には、ひどく地味に見える自分のサリー用布。気を取り直し、同じグリーン系のローシルク(生絹)を選びます。
写真では色みや光沢、質感が伝わりませんが、とても味わいのある布です。インドでは上品な質感のローシルクもまた、廉価で入手できるのです。
グリーンの他にゴールドの布も調達しました。こちらもローシルク。写真ではオレンジ色に見えますが、これもまた上品な黄金色です。
ローシルクは、光のあたり具合や角度によっても、色合いが異なって見えるものもあり、その微妙な玉虫色っぽさがまた、味わい深いのです。
さて、ブラウス布を購入したら、テイラーに手配です。店の人に尋ねたところ、近所にあるお勧めのテイラーを教えてくれたので、今回はそこで頼むことにしました。
裏寂れたショッピングセンターの一画にあるテイラー。この荒廃感がまた、インドです。
ここ2年余りはムンバイのテイラーを作っていたのですが、今年はムンバイを訪れる頻度が減ったので、テイラーもバンガロールで新規開拓です。
商業都市ムンバイのほうがテイラーが多く、技術も高く、更には仕立て代も安いのですが、バンガロールでも「頼れる店」を何軒か、探しておきたいもの。うまく仕上がるかどうか、楽しみです。